(本記事は、中島 豊氏の監修・編書「社会人の常識: 仕事のハンドブック」経団連出版の中から一部を抜粋・編集しています)

(写真=PIXTA、ZUU online libraryより引用)

通勤

それにしても朝の電車の混雑はほんとどうにかしてほしいよ。5月でこれなら、これから暑い夏がきたら、汗だくになっちゃいそう。
最近いつも同じ車両に乗る女の人がいるんだけど、その人、電車に乗ってきたときはすっぴんなのに、降りるころにはフルメイクになってるの‼これが噂の、電車の中でお化粧する人だな。確かにみっともないから、私は絶対しないようにしよおっと。
今日はいつもより早めに会社に着いたんだけど、林部長はもう来てた。入社してから今までで、林部長が私よりあとに出勤してきたことってあったっけかな?林部長って何時に出勤してるんだろう。普通は会社のえらい人って遅め出勤じゃないのかな?

時間に余裕をもって出勤しましょう

始業時刻は会社によって多少の違いはありますが、朝の通勤ピークはごく短かい時間帯に集中しています。電車、バス、自動車などさまざまな交通手段のいずれもが、ラッシュアワーでは普段より余計に時間がかかることを常に念頭においておきましょう。移動に時間を要する自動車通勤はもとより、バスも優先レーンが敷かれている地域でも通常の運行時間では移動できないと考えたほうが無難です。

また、電車は大幅に時間が遅れるケースはあまりありませんが、いったん事故などが発生すると運行が大きく乱れ、運休することも珍しくありません。人為的な理由以外でも、昨今では豪雨や強風、台風の直撃、地震など自然災害による交通機関のトラブルが多くなっています。

キャリアを重ねるにつれて、どうしても外せない重要なアポイントや会議などが増えていきます。約束の時間に遅れたり、間に合わないことにより、会社に損失を与えてしまいかねない事態も起こりえます。そんなとき、バスが遅れたから、電車が止まってしまったからという言い訳は通りません。不測の事態が発生した場合に備えて、通勤経路や交通手段などの選択肢を日頃から考えておきましょう。

なお大震災や大型台風など安全が脅かされるような状況では、自宅待機の指示が会社から出されるケースがほとんどですので、その指示に従います。それ以外のケース、たとえばいつも利用している電車の運行が突然止まってしまった場合などは、いかに首尾よく回避するか、それが仕事に穴をあけないプロフェッショナルの知恵です。

朝の時間を有効に活用しよう

(写真=社会人の常識: 仕事のハンドブック、ZUU online libraryより引用)

私たちは毎日、当たり前のように会社へ通勤しています。しかしその日常の生活の中に思わぬ事故や危険が案外、ひそんでいるものです。自分の安全は自分で確保する意識を常日頃からもつようにしましょう。また、慌てて出勤するときに限って思わぬトラブルや事故などに遭遇する可能性が高まるものです。翌日が仕事の場合には夜更かしは避けて十分な睡眠をとる、前夜に明日の持ち物や着ていく服の準備をしておく、朝は余裕をもって起床するなど就業時間外の過ごし方にもプロフェッショナルとしての心構えが求められます。

さらに上級プロフェッショナルをめざすのであれば、朝早めに出勤し、すがすがしい空気と気分の中で仕事に関係する本を読んだり、勉強をしたりして、有効に時間を使うこともできます。心身ともに余裕のある生活は質の高い仕事へと結びつくことでしょう。