2020年は新型コロナウイルスの感染拡大が私たちの生活や仕事に大きな影響を与えた年だった。そんな中、企業のマーケティング活動はどのような影響を受けていたのだろうか。

株式会社イノーバは「新型コロナウイルスの感染拡大後のマーケティング活動への影響調査」を実施した。その結果、以下の点が明らかになった。

・新型コロナウイルスがマーケティング活動にマイナスの影響を与えたと考える企業が多い

・新型コロナウイルス感染拡大への対策としては「オンラインセミナー活用」や「オンライン商談の導入・強化」が多くの企業で行われ、効果があったと判断されていた。

・非対面でのマーケティング活動でも一定の成果をあげている企業があった。

・施策を開始してから十分な時間が経っていないため、効果測定に至っていない企業もあった。

・多くの企業が、ホームページを活用した問い合わせ獲得(SEO、コンテンツマーケティング)に今後取り組んでいきたいと考えている。

参照元:新型コロナウイルスの感染拡大後のマーケティング活動への影響調査

75.5%の企業が「新型コロナウイルスの感染拡大はマーケティング活動にマイナスの影響を与えた」と判断

新型コロナウイルス感染拡大による影響の度合いについて調査した結果が下のグラフだ。
 

MarkeTRUNK
(写真=MarkeTRUNKより引用)

出典:新型コロナウイルスの感染拡大後のマーケティング活動への影響調査

最も多かった回答は「マイナスの影響を大きく受けた」の45.3%、次いで「マイナスの影響が多少あった」の30.2%であり、合計すると75.5%になる。多くの企業が新型コロナウイルスの影響を「マイナス」ととらえていることがわかる。

続いて、具体的なマイナスの影響について回答してもらった結果が下のグラフだ。
 

MarkeTRUNK
(写真=MarkeTRUNKより引用)

出典:新型コロナウイルスの感染拡大後のマーケティング活動への影響調査

「その他」としては、「顧客の投資意欲の衰退または投資判断の延長」「紙で提供している営業資材の活用場面がなくなってしまった」などの声があったそうだ。

プラスの影響は「デジタルマーケティングシフトへの各部門の意識の変化」

新型コロナウイルスの感染拡大はマイナスの影響のみをもたらしたわけではない。中にはプラスの影響としてとらえられるものもあった。マーケティング活動に対するプラスの影響として自由記述してもらった結果、以下のような回答があった。

・企業のデジタルマーケティングシフトが加速した(企業のマーケティング活動を支援する立場からの実感)。

・営業がインサイドセールスを始めた。マーケティング活動で得たデータに関心を抱き始めた。

・Webを使ったマーケティングや販路拡大などに対する幹部層の意識が変わった。

・Web化、デジタル化への意識が高まった。マーケティングやプロモーションの必要性が再認識された。予算取りが可能になった。

・オンラインのマーケティング活動に”本気になる”きっかけになった。

マーケティングを進める立場、特にマーケティングのデジタル化を進める立場からすると、新型コロナウイルスの感染拡大は追い風となる意識変化を各部門にもたらしたと言える側面があるようだ。