モトリーフール米国本社、2020年11月22日投稿記事より

超低金利環境では、当然ながら投資家は配当が魅力的な銘柄に向かいます。

S&P500指数の平均配当利回りである1.7%も1つの目安で、これより高い利回りで、株価上昇余地のある銘柄であれば多少知名度が低くても注目に値します。

中でも不動産投資信託(REIT)は、高い分配金(原則として純利益の90%以上)が魅力です。

ここではREIT2銘柄と10年以上増配を継続している金融株を紹介します。

グローバル・メディカル・リート

グローバル・メディカル・リート(NYSE:GMRE)は、医療関連施設の取得や開発を手掛ける投資法人です。

ポートフォリオは米国内の122の物件から成り、その殆どが専門病院、診療所物件、リハビリ施設、外科手術施設となっています。

米国ではベビーブーマー世代が毎日1万人のペースでメディケア(高齢者向け公的医療保険)の対象年齢に達しており、この人口構成が同REITには大きな追い風となっています。

ポートフォリオの価値は、時価の上昇と新規投資を合わせてこの4年間で9,300万ドルから10億6,000万ドルに飛躍的に拡大しました。

第3四半期の賃料等の収入は前年同期比で38%増、利益に当たる調整後FFOは同21%増となりました(ただし、管理業務の内製化に伴う1度限り発生の費用を含まない。

ポートフォリオ拡大に伴い新規投資の費用が同四半期中に増加)。

パンデミックのあおりを受け、株価は年初来では7%の上昇に留まっているものの、過去3年間では約50%上昇しています。

さらに、分配金は1株当たり年間80セントで、利回りは約5.7%です。

また、パンデミックの中にあっても問題なく賃料を回収できている点も評価できます。

今後も新たな物件の取得やリースを継続し、株価も配当も上昇が期待できる銘柄です。

イノベイティブ・インダストリアル・プロパティーズ

イノベイティブ・インダストリアル・プロパティーズ(NYSE:IIPR)は、大麻産業のニーズに対応する数少ないREITの1つです。

大麻生産に特化した商用及び栽培用不動産を所有しています。

大麻は米規制物質法で「Schedule 1」に分類されており、大麻生産企業は銀行の融資を受けることができません。

イノベイティブ・インダストリアルはこうした業界特有の資金的困難に対し、生産者から土地を買い取りリースでの利用を可能にすることで業界を下支えしています。

このビジネスモデルが評価され、同REITの株価は年初から2倍以上に上昇しています。

また、来年1月発足のバイデン政権は大麻産業により友好的なスタンスを示すとの憶測もあります。

さらに、アリゾナ、モンタナ、ニュージャージー、サウスダコタの4州では、11月の大統領選と同時に実施された住民投票で、娯楽目的の大麻使用が合法化されることが決まりました。

しかしそれ以前の第3四半期で、既にイノベイティブ・インダストリアルの収入は前年同期から197%増、調整後FFOは3倍増と強い成長を示していました。

1株当たり配当は年間4.68ドル、利回りは約3%で、年初から既に2回増配しています。

こうした業績の強さや将来の展望を考慮すると、株価FFO倍率34倍は割安な水準と言えるでしょう。

プルデンシャル・ファイナンシャル

プルデンシャル・ファイナンシャル(NYSE:PRU)は、生命保険・年金商品から資産運用、投資信託、年金・退職金運用と幅広い金融サービスを提供します。

資産運用残高は1.4兆ドル、生命保険の保有契約高は3.7兆ドルです。

成長速度は目を見張るものではありません。

第3四半期の純利益は前年同期比で8%をわずかに下回る上昇に留まりました。

未だ第1~第2四半期中の運用損を取り戻している最中ですが、第3四半期では運用業務で利益を出しました。

海外向け事業でも成長を示しており、運用益と合わせて営業利益の4分の3を生み出しました。

こうした好転から、2~3月に大きく低下した予想株価収益率(PER)は7倍近くにまで回復しています。

また、配当実績も1株当たり年間4.40ドルで利回り5.9%と魅力的です。

また2009年から毎年増配を続け、今年前半のスランプから素早い回復を見せていることから、今後もこの傾向が続くことが期待できます。

文・モトリーフール編集部/提供元・The Motley Fool Japan

【関連記事】
仕事のストレス解消方法ランキング1位は?2位は美食、3位は旅行……
日本の証券会社ランキングTOP10 規模がわかる売上高1位は?
人気ゴールドカードのおすすめ比較ランキングTOP10!
つみたてNISA(積立NISA)の口座はどこで開設する?
【初心者向け】ネット証券おすすめランキング