モトリーフール米国本社、2020年11月30日投稿記事より

飲料大手のペプシコは典型的なディフェンシブ銘柄で、派手さはありませんが、不況期に底堅さを発揮します。

JPモルガンは先日、米国の2021年第1四半期のGDP成長率がマイナスになるとの予想を発表しました。

ディフェンシブの要素を持ちながら、米国の景気が上向いた場合にも恩恵を享受でき、しかも配当利回りはペプシコの2.8%を上回る銘柄をご紹介します。

配当が手厚いモーゲージREIT

アナリー・キャピタル・マネジメント(NYSE:NLY)は、不動産に投資・保有し賃料を稼ぐのではなく、住宅ローン担保証券などに投資するモーゲージ不動産投資信託(REIT)です。

住宅ローン市場が停滞した影響で、モーゲージREITは第2四半期に急落しましたが、その後、米連邦準備制度理事会(FRB)による緩和策を受けて株価は回復しています。

同社は政府が保証する住宅ローン担保証券(モーゲージ債)に焦点をあて、借り入れた資金でモーゲージ債を購入し、借り入れ金利とモーゲージ債の金利の差が利益となります。

現在の四半期配当は0.22ドルで(執筆時点)、配当利回りは11月27日の終値ベースで10.8%です。

モーゲージREITはグロース株のようなキャピタルゲインは見込めませんが、配当利回りの高さが魅力です。

クレジットサイクルの影響を受けにくい信託銀行

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(NYSE:BK)は信託銀行で、一般の商業銀行のような資金の貸し付けなどを行わず、手数料収入が主な収益源です。

大手ミューチュアルファンドの多くを顧客に持ち、株式や債券など投資対象の保管・管理、解約・償還、日々の資産評価といったカストディ業務を行っている他、企業向けの保管銀行として現金管理サービスを提供しています。

また、傘下のパーシングはクリアリング業務(決済業務)の大手企業です。

BNYメロンのビジネスモデルは、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースといった一般的な商業銀行と比べるとリスクが低く、景気サイクルに関わらず相対的に収入が安定しています。

つまり、新型コロナウイルスの影響で経済が再び冷え込んだとしても、影響は比較的軽微とみられます。

四半期配当は0.31ドルで、配当利回りは3.3%です(執筆時点)。

住宅の不足で森林REITに追い風

ウェアーハウザー(NYSE:WY)は森林REITで、米国とカナダに広大な森林を所有しています。

新型コロナウイルスをきっかけに戸建て住宅の需要が拡大し、木材需要が高まっています。

同社は6月に配当を一旦停止しましたが、すぐに配当方針を修正して復配しました。

以前の四半期配当は0.31ドルで、足元の株価に基づくと配当利回りは4.3%でしたが、修正後の四半期配当は0.17ドルをベース配当とし、配当性向75~80%に基づいて配当額がプラスされるという仕組みです。

ベース配当のみの利回りは2.4%でペプシコを下回りますが(執筆時点)、2021年も木材需要の好調が持続すれば、変動分で利回りは十分に押し上げられるとみられます。

変動部分は年間の業績に応じて年末に決定されるため、業績連動配当の最初の支払いは2022年第1四半期になる見通しです。

新制度により配当に関する柔軟性が向上し、業績が好調な年は配当を増やし、例えば2019年のように業績が低調だった年も配当性向を抑えることが可能になります。

中古の戸建て住宅在庫は2.4カ月分と過去最低水準にあり(通常は6カ月前後)、住宅建設セクターは久しぶりの活況が予想されます。

これにより、ウェアーハウザーの業績が好調なら、2022年の業績連動配当も一気に押し上げられるでしょう。

文・モトリーフール編集部/提供元・The Motley Fool Japan

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