ゼネラル・ミルズ社(NYSE:GIS)はアメリカに本社を置く大手食品メーカーです。
一般消費者向けブランド食品の製造、販売に加え、食品サービスおよび製パン工業向けにブランド・非ブランド食品を提供しています。
皆さんの実生活に関わりがあるものとしては、「ハーゲンダッツ」の製造・販売を行っていることで有名です。
主要製品としては、シリアル、ヨーグルト、缶詰スープ、インスタント食品、冷凍野菜、冷凍・冷蔵パン生地、ベーキングミックス、冷凍ピザ、フルーツ・スナック類、アイスクリームのほか、自然食品などが挙げられます。
今回の記事ではゼネラル・ミルズ社の2021年第2四半期決算(9~11月期)および本決算の情報と今後の株価の推移について見ていきます。
決算発表前におけるゼネラル・ミルズ社の株価等のデータ
ゼネラル・ミルズ社は、2021年第2四半期決算の発表前日である12/16における同社株価の値動きから見ていきます。
12/16における同社株価の始値は59.01ドルであり、終値は58.88ドルとなっていました。
続いて同社株価の今までの値動きについて概観していきます。
同社株価は上場から2016年頃までは上昇を続けており、2016年の夏頃には70ドル前後の高値で取引されていました。
しかしながら、その後同社株価は下落を始め、2018年の年末には30ドル台後半まで下落しています。
その後再び上昇し、コロナショックの際にも同社株価は大きな影響を受けていません。
ただ9月初頭から始まったアメリカ株式市場の調整局面において同社株価は大きく下落し、同社株価は10ドル前後下落しています。
その後株価は一時的に回復したものの、軟調な推移が続いています。
ゼネラル・ミルズ社はS&P500の構成銘柄の一つであり、執筆時時点での同社時価総額は361億ドルとなっています。
またゼネラル・ミルズ社は株式配当も実施しており、高配当銘柄のひとつに数えられる銘柄ですので、同社の配当実績についても見ていきます。
直近の配当実績は以下の通りです。日付は権利落ち日を記しています。
- 2021/01/07…配当:0.51ドル(配当利回り:3.46%)
- 2020/10/08…配当:0.51ドル(配当利回り:3.34%)
- 2020/07/09…配当:0.49ドル(配当利回り:3.39%)
- 2020/04/08…配当:0.49ドル(配当利回り:3.23%)
2020/01/09…配当:0.49ドル(配当利回り:3.65%)
直近の配当利回りは3%前後であり、S&P500構成銘柄の平均が2%弱となっていますので、平均を大きく上回る配当利回り実績を残すことができています。
また10月権利落ち分の配当では、増配が行われています。
同社株価が下落を始めた2016年以降、同社の株式配当は据え置きで1四半期あたり0.49ドルとなっていましたが、今回ついに増配が行われました。
ゼネラル・ミルズ社の最新決算情報について
概要
続いてゼネラル・ミルズ社が発表した2021年第2四半期決算について見ていきます。
同決算の概要は以下の通りです。
- 純売上高…47.19億ドル(前年同期比7%増)
- 営業利益…9.17億ドル(前年同期比13%増)
- 同社に帰属する純利益…6.88億ドル(前年同期比19%増)
- 希薄化後EPS…1.11ドル(前年同期比17%増)
純売上高は前年同期から7%増加した47.19億ドル、同社に帰属する純利益は19%増加した6.88億ドルとなっています。
アナリストらによる同社業績の事前予想では、売上高が46.4億ドル、non-GAAPベースのEPSが0.9693ドルとなっていました。
同社の実際の業績は売上高が47.2億ドル、non-GAAPベースのEPSが1.06ドルとなっていましたので、同社の実際の業績はアナリストらによる事前予想を上回っていることが分かります。
同社CEOが決算短信で発表したコメントは以下の通りです。
このダイナミックな環境のなかで、従業員を大切にし、消費者に愛され信頼されるブランドで消費者にサービスを提供していることを誇りに思います。
私たちはブランドと能力を強化し、消費者とのつながりを深めるために今日行っている作業が、長期的には収益性の高い成長を株主価値の創造につながると確信しています。
詳細
続いて同社決算をセグメント別に見ていきます。
【北アメリカにおける小売】
- 純売上高…29.22億ドル(前年同期比9%増)
営業利益…7.02億ドル(前年同期比9%増)
【欧州及びオーストラリア】
- 純売上高…4.67億ドル(前年同期比8%増)
営業利益…0.36億ドル(前年同期比14%増)
【コンビニエンスストア及びフードサービス】
- 純売上高…4.41億ドル(前年同期比14%減)
営業利益…0.78億ドル(前年同期比32%減)
【ペット】
- 純売上高…4.60億ドル(前年同期比18%増)
営業利益…1.19億ドル(前年同期比48%増)
【アジア及びラテンアメリカ】
- 純売上高…4.30億ドル(前年同期比5%増)
営業利益…0.30億ドル(前年同期比25%増)
【合計】
- 純売上高…47.19億ドル(前年同期比7%増)
営業利益…9.17億ドル(前年同期比13%増)
前四半期決算から引き続き、コンビニエンスストア及びフードサービスセグメントの業績が低迷していますが、その他のセグメントでは売上高及び営業利益に成長が見られています。
続いて各セグメントについて詳細に見ていきます。
北アメリカセグメントでは、コロナパンデミックの影響による家庭での食品需要の増加を反映して、売上高は前年同期から9%増加した29.22億ドル、営業利益は9%増加した7.02憶ドルとなっています。
前四半期から引き続き、米国の主要10カテゴリーのうち、8カテゴリーで安定的または成長的にシェアを獲得し続けています。
続いて欧州及びオーストラリアセグメントについて見ていきます。
同セグメントにおける売上高は、前年同期から8%増加した4.67億ドル、営業利益は14%増加した0.36億ドルとなっています。
フランスと英国の2大市場で市場シェアを維持または拡大したことにより増加しています。
続いて、コンビニエンスストア及びフードサービスセグメントについて見ていきます。
同セグメントの売上高は前年同期から14%減少した4.41億ドル、営業利益は32%減少した0.78億ドルとなっています。
売上高の減少は、コロナパンデミックに関連した家庭外の食品需要の減少を反映しています。
続いてペットセグメントについて見ていきます。
同セグメントの売上高は前年同期から18%増加した4.60億ドル、営業利益は48%増加した1.19億ドルとなっています。
同社製品はペットの飼い主に支持され続けており、好調な業績を維持することができています。
最後にアジア及びラテンアメリカセグメントについて見ていきます。
同セグメントにおける売上高は、前年同期から5%増加した4.30億ドル、営業利益は25%増加した0.30億ドルとなっています。
コロナパンデミックの影響により家庭での食品需要が高まったことにより、各製品の売上高が増加しました。
2021年度の見通しについて
最後にゼネラル・ミルズ社が発表した2021年度の見通しについて見ていきます。
同社によれば、コロナパンデミックにより、2021年度の残りの期間を通じて、家庭での食品に対する消費者の需要が、パンデミック前のレベルに比べて上昇し続けると予想しています。
第3四半期の需要動向は、世界の多くの市場でウイルスへの懸念が継続していることから、ここ数カ月間の傾向と概ね一致していると予想しています。
この前提に基づき、同社は2021年度第3四半期も引き続き好調な成長を見込んでおり、比較可能売上高は第2四半期とほぼ同程度の成長率で成長していくものとの見解を示しています。
ただ、家庭用食品の需要拡大の規模や期間は依然として不透明度が高いため、通年業績予想は発表していません。
決算発表後におけるゼネラル・ミルズ社の株価の推移
ゼネラル・ミルズ社は、2021年第2四半期決算を2020/12/17のアメリカ市場開場前に発表しましたので、決算発表直後である12/17における同社株価の推移について見ていきます。
前日終値である58.88ドルに対して、12/17における始値は59.31ドルとなっています。
その後日中を通して同社株価は上昇し、終値は59.70ドルとなっていました。
同社株価が決算発表によって終値ベースで1%ほど上昇した要因としては、アナリストらによる事前予想を上回る好調な業績を発表したことが挙げられます。
最後に同社の今後について見ていきます。
同社はコロナパンデミックによる家庭用食品需要の増加によって、好調な業績を達成することができています。
同社が発表した今後の見通しからも分かるように、パンデミックによるこの好調な需要は今後も続いていくものと考えることができますので、同社は引き続き好調な業績を残すことができ、株価も堅調な推移をしていくものと考えることができます。
しかしながら、コロナパンデミックがいつ頃収束するのかは誰も予想することができませんので、パンデミック収束に伴う需要減と業績悪化のリスクを常に想定しながら、投資を行っていく必要があると考えます。
参考元:General Mills Reports Fiscal 2021 Second-Quarter Results
文・白紙/提供元・The Motley Fool Japan
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