モトリーフール米国本社、2020年12月17日投稿記事より
バイオジェン(NASDAQ:BIIB)の株価は、11月はじめにアメリカ食品医薬品局(FDA)が、同社のアルツハイマー病薬アデュカヌマブを支持したことにより、44%上昇しました。
しかし、数日後、諮問委員会は薬が効果的であるという十分な証拠がないと述べ、株価は下がりました。
この正式な判断は3月までに行われる予定です。
競争の激化
バイオジェンは主に神経障害に焦点を当てており、年間売上高である143億ドルのほとんどは多発性硬化症(MS)治療薬によるものです。
2020年の最初の9か月間、MS治療薬の販売減少は1%未満でした。しかし、事態は悪化し始めています。
2020年の夏からジェネリック医薬品が市場に出回り始め、バイオジェンの主力医薬品であり、年間売上高33億ドルを誇る「テクフィデラ」に影響を及ぼしています。
これにより、バイオジェンの経営陣は、10月に2020年の通年売上高と収益見通しを引き下げましたが、この穴を埋めるための対策も行っています。
パートナーシップ
バイオジェンは、共同で医薬品を開発するために多数のバイオテクノロジー企業と取引しています。
8月には、デナリ・セラピューティクスとパーキンソン病の治療に関する取引をしました。
10月には、CRISPRベースの医薬品を開発するための研究協定をスクライブ・セラピューティクスと結びました。
また11月には、うつ病治療薬のズラノロンを共同開発するためにセージ・セラピューティクスに15億ドル投資したことを発表しています。
これらの取引が功を奏し、バイオジェンが飛躍的に成長する可能性はありますが、株式市場はあまり信用していないようです。
記事執筆時点で、バイオジェン株は10年で最低の株価売上高倍率(PSR)で取引されています。
バイオジェン株の購入を検討することを正当化できる理由は十分にあるように考えられますが、2015年に売上がピークに達したギリアド・サイエンシズについても同じことが言えます。
パートナーシップなどによる実績が見え始めた時に、購入を検討するといいでしょう。
文・モトリーフール編集部/提供元・The Motley Fool Japan
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