新型コロナウイルスのパンデミックの状況下で、世界の実体経済はかなり落ち込んでいます。
大手製薬企業はコロナワクチンの開発を迅速に行い、今月から提供が開始されました。
これにより急速にパンデミックが収まることが期待されますが、ワクチンだけでは解決できません。
政治による感染対策もまだ重要であるため、特に米国のバイデン政権のコロナ対策や米国社会のそれに対する反応を注視しておく必要があります。
このような状況下で注目するべき分野として、ヘルスケアが挙げられます。
ヘルスケアには、製薬、医療機器、診断などが含まれます。
各国政府は、医療に関する技術開発やサービスの重要性に気づき、ヘルスケア分野への投資額が増加する方向性が強まっています。
また、多くの人々は健康や医療に関する意識が高まっている可能性があります。
これらの点から、今回のパンデミックを契機にヘルスケアの分野は大きく成長していくでしょう。
したがって、特に長期の株投資家とって、ヘルケア分野に投資していく価値は十分あるでしょう。
今回の記事では、世界のヘルスケア分野で上位にランクされている、米国の大手ヘルスケア企業であるアボット・ラボラトリーズ(NYSE:ABT)について解説していきます。
結論として、この銘柄の長期的な成長はかなり期待できそうです。
ちなみに、アボット・ラボラトリーズはS&P500の構成銘柄の一つです。
アボット・ラボラトリーズのパンデミックへの対応
新型コロナウイルスのパンデミックの状況を受けて、同社はコロナワクチンやコロナ治療薬の開発を行うのではなく、新型コロナウイルス(COVID-19)を検出するための様々な医療検査機器や検査キットを開発しました。
現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の検査に関する売り上げは、15億ドル(Q3では8.8億ドル)となっています。
すでにコロナワクチンの提供が始まっていますが、普及までにやや時間がかかることや、まだコロナ感染者が増加していることなどを考えれば、同社の新型コロナウイルス(COVID-19)の検査関連の売り上げはまだ伸びていくでしょう。
グローバル大手ヘルスケア企業アボット・ラボラトリーズとは
アボット・ラボラトリーズは米国の大手老舗ヘルスケア企業であり、約130年の歴史があります。
興味深いのは、売り上げの約60%は米国以外の市場から得ているという点です。
主な事業は、医療機器や栄養関連の製品、製薬、糖尿病ケア製品などで、売り上げの多くを占めているのは医療機器部門です。
どの部門でも業界ナンバー1となっているようです。
事業については、次の項目でもう少し詳しく解説します。
売り上げで見た世界のバイオメディカル企業のランキングでは、同社は11位にランクされています。
また、格付け会社であるムーディーズおよびスタンダード&プアーズ(S&P)から、各々A3およびBBB+の高い評価を得ています。