株式市場の指標として妥当かどうかはさておき、NYダウが史上最高値を更新し、日経平均株価は29年ぶりの高値を付けています。

もちろん、それぞれを構成する銘柄は10年前や20年前と比較すると同じではないので、単純比較はできませんが、さしあたりは「堅調なマーケット」と言えるでしょう。

今年の3月には考えられなかった展開で、有難いことです。

そろそろ来年を意識し始めている方も多いでしょう。

この時期になると、次年に関して様々な予想が登場しますが、個人的には現時点での来年の予想に関しては、どこまで信じていいやらと思っています。

と申しますのも、冒頭に書いたように米国株市場は史上最高値を更新し、日本株も29年ぶりの高値を付けている状況です。

この事象を違う角度から眺めると、歴史が参考にならないともいえるのではないかと考えています。

史上最高値は誰も経験したことが無いから、史上最高値です。

29年ぶりの高値は、経験した人はいるはずですが、そのような方が仕事としてマーケットの予想をしていることは稀です。

29年前に大学を卒業して就職した方でも50代前半にはなっているわけですし、29年前に予想をしていた方々はほぼリタイアされているでしょう。

つまり、これからのマーケットの方向性の予想をする人ほとんどにとって、これから先のことは「未知の領域」であり、経験したことが無いことを予想することになるのです。

もちろん、予想を出す人たちもいい加減に出しているわけではなく、それなりの経験と根拠を持って予想を出しています。

とはいえ、歴史を知っていて経験値があったとしても予想が常に当たっていたわけではありません。

よって、経験したことが無い世界の予想はもっと難しいだろうと考えています。

必死に予想しても、ちょっとしたことで大きく展開が変わるのがマーケットだということを、今年のCOVID-19感染拡大で学んだ方が多いと思います。

何年かに1度は必ずコロナショックのようなものが起きてきたのが現実です。

一方それらのショックを克服して、史上最高値や29年ぶりの高値になったこともまた事実です。

マーケットは上がり続けはしませんし、下がり続けもしません。

一時的なことはあるかもしれませんが、どこかで必ず反転します。

これからしばしの間出される予想は未知の領域の予想なのですから、予想は予想として自分なりに咀嚼し、当たることも当たらないことも想定して、何が起きたらどうするのかをいくつかの場合分けをして決めておくといいでしょう。

最低でもポジティブな場合とネガティブな場合の2つを念頭に置きたいものです。

大事なことは、自分が何のために投資をしているのかを忘れないことです。

キャピタルゲインが欲しいのか、配当金が欲しいのか、20年後を想定しているのか、5年後を想定しているのか。

目的が違えば、手段が違って当然です。

キャピタルゲインが欲しいなら、成長産業を選ぶ必要がありますし、配当金が欲しいなら、キャッシュフローを安定的に得られる企業の方が良いです。

良くも悪くもSNSなどで情報がインプットされやすいご時世ですので、自分の目的やスタイル以外のやり方が光って見えるかもしれませんが、他人は他人、自分は自分という流されないメンタルも必要だと思います。

この1年は、過去10年ぐらいの間に投資を始めた方にとって初めて経験されることが多かったと思います。

TOBで保有株が完全子会社化の対象になったり、米国株市場でサーキットブレーカーが発動したり、ひょっとしたら追証を初めて経験した人もいるかもしれません。

それらはすべてご自身の経験として、必ずや参考になる日が来ます。

一つ一つを学びの種に、来年もマーケットと上手に付き合いたいものです。

文・おせちーず/提供元・The Motley Fool Japan

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