カンニングしまくって、真似しまくって、パクりまくれ!
「人は環境の生きもの」と言われます。
あなたが日本語を完璧にしゃべれるのは、両親が日本語を話し、まわりも日本語だらけの環境で育ったからです。生まれてすぐにアメリカに移住し、まわりが英語だらけの環境で育ったら、あなたは英語がペラペラにしゃべれるはずです。
それくらい、人間はまわりにいる人たちから、その都度影響を受けているのです。
だからこそ、本書で再三にわたって私が「メンター」という言葉を使うように、人生にはメンターが大切になるのです。
メンターを決めるということは、「影響を受ける先を決める」ということです。
「学ぶ」の語源は「真似る」から来ているそうです。
私はメンターから、
「学校のテストはカンニングしたらいけないけど、人生はカンニングしてもOK。俺からカンニングしまくって、真似しまくって、パクりまくれ!」
と言われました。
私はそれまで、「ビジネスは独創的で、誰も考えたことのないようなオリジナルなもでなければならない」と思っていました。
でも、事実はそうではありませんでした。
世の中のうまくいっているものは、真似から入ったもののほうが断然多い
たとえばフランチャイズビジネス。
フランチャイズというのは「真似」をベースとした形態です。
独創的でもなんでもありません。世の中にあるカフェやレストランで、フランチャイズ店の占める割合は多いですよね。コンビニエンスストアや牛丼屋さんなんかもそうです。
たくさんあるということは、うまくいっているということです。うまくいっていなかったら、こんなにたくさんあるはずがありません。
世の中には、真似してうまくいっているもののほうが断然多いということです。
人生はカンニングOK、真似してもいいテストなのです。
うまくいっているメンターからカンニングしまくって、真似しまくって、パクりまくったらいいのです。
将棋の羽生善治さんは、
「あとから来る世代は、ある分野で極めたいという意志さえあれば、高速道路に乗るように、あるレベルまでは猛スピードで到達してしまう」
と言いました。最近は10代でも、プロまで来る人が多くいます。
真似るということは、先人たちの叡智を吸収できるという意味で、それは非常にパワフルです。そして叡智の高速道路の先に、未開拓の地があるのです。
「真似ではなく自分のやり方で成功したい」や「自分の道は自分で開拓したい」などと言う人もいます。
その開拓精神は、高速道路の先端まで行ってから発揮すべきだと思います。
スタートから高速道路を使わずに、一般道路で開拓したがっていたら、叡智の高速道路の最先端でチャレンジしている人たちとは、まったくもって勝負になりません。
開拓精神は、先人たちの叡智のさらに先へ行くために使うべきだと思います。
メンターは1人に絞ったほうがいい、その2つの理由
そして、成果を出したいのであれば、あなたが目標とする成果を出すまで徹底的に1人のメンターについていくことです。
メンターを1人に絞ったほうがいい理由は2つあります。
- (1)成功要因は複数個あって、それらがすべてそろったときに初めて結果が出るから
- (2) もし2人以上のメンターがいたら、複数のメンターから違うアドバイスが入ってしまい、混乱して無駄な時間が発生してしまうから
では、順番に説明していきます。
(1)成功要因は複数個あって、それらがすべてそろったときに初めて結果が出るから
たとえば、太郎師匠が成功要因を「ABC」として教えてくれているとします。
一方、花子師匠は成功要因を「DEF」として教えてくれているとします。
成功している人にはそれぞれのノウハウがあります。
結果が出ない人は、
「太郎師匠が提唱するABCで1つの成果が出るセット」\
「花子師匠が提唱するDEFで1つの成果が出るセット」
であるにもかかわらず、自分の都合のいいように断片的に解釈し、ABとEだけを受け取り行動したりして、いつまでたっても結果が出ないと嘆いてしまいます。
これが、結果が出ない要因です。
(2)もし2人以上のメンターがいたら、複数のメンターから違うアドバイスが入ってしまい、混乱して無駄な時間が発生してしまうから
たとえば、あなたがボクサーだとします。
月・火・水曜日はAジムに行くとします。
木・金・土曜日はBジムに行くとします。
AジムのAコーチは、
「攻撃こそ最大の防御だ! もっと相手に近づいてパンチをしろ!」
とアドバイスします。
BジムのBコーチは、
「相手と距離を取って、相手のパンチを不用意にもらわないようにしろ!」
とアドバイスします。
真逆のことを言われているので、混乱しますよね。
しかもやっかいなことに、両方のコーチが言っていることは正しいのです。
ボクサーで同時に2つのジムに通ってる人なんていませんよね。
そんな世界チャンピオンは聞いたことがありません。
でもこれがビジネスの世界になると、みんな平気で3つ4つのジムに通うようなことをしてしまうのです。それでは成果が出るのが遅くなるのもあたりまえです。
「船頭多くして船山に登る」という諺ことわざもあります。
とにかく、あなたが満足いく成果を出すまでは、1人のメンターにとことんついていき、パクリまくりましょう。
文・ZUU online編集部/提供元・ZUU online
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