クレジットカードのサインには、どんな意味があるのか? 署名欄のサインは漢字とローマ字のどちらがいいかわからず、空欄のままにしている人もいるだろう。実は、サインは非常に重要だ。ここでは、改めてクレジットカードのサインについて考えてみよう。
目次
1,クレジットカードの裏面にサインをする3つの理由
2,クレジットカードの裏面にサインをしない2つのリスク
3,サインに関するQ&A
4,クレジット決済伝票にサインをするのはなぜか?
5,カード裏面と決済伝票でサインが不一致の場合はどうなるか
6,サインを拒否した場合はどうなる?
7,サインの扱いは慎重に
1,クレジットカードの裏面にサインをする3つの理由
端末にタッチするだけの電子マネーに慣れてくると、クレジット決済時にサインをするのが面倒に感じられる。そもそも、クレジットカードの裏面にはなぜサインが必要なのか? 主な理由は3つある。
理由1,カードの所有者本人の証明
サインは、カードの利用者が所有者本人であるかどうかを確認するためにある。言い換えると、後払いの信用に値する人物であることの証明だ。それを考えると、サインが面倒などとは言っていられない。
理由2,伝票内容を確認したことの証明
クレジット決済伝票には、カード裏面にあるサインと同じものを記す。これは、伝票に記された内容をクレジットカードの所有者が了承したことを意味する。そのため、利用金額や支払い方法(一括か分割かなど)に間違いがないかどうか、伝票内容をよく確認してからサインするようにしたい。
理由3,不正利用を抑止
理由1~2とも関係するが、クレジットカードの裏面のサインはセキュリティ強化の目的もある。盗難・紛失により第三者の手にカードが渡って使用されてしまったとしても、伝票と裏面のサインを照合し、それが異なれば不正利用であることがわかる。
2,クレジットカードの裏面にサインをしない2つのリスク 不正利用が補償されない、不正請求に対応してもらえない
裏面にサインをしておかないと、思わぬ不利益を被ることがある。どんなリスクがあるのだろうか?
リスク1,不正利用された時に盗難保険が適用されない
盗難・紛失によりクレジットカードが不正利用された場合、通常ならカード会社の盗難保険などが適用され、不正利用分について会員に支払い義務は生じない。ただし、カードの署名欄が空欄だった場合は、その不正利用分についても会員の過失によるものと見なされ、負担しなければならないことがある。
リスク2, 不正請求の際に対応してもらえない
海外などでクレジットカードを使うと、サインをした伝票の金額よりも実際の請求金額のほうが高いことがある。店舗側が不正をしているわけだが、これを避けるには利用控えや利用明細を大切に保管しておき、カード会社からの請求と照合する必要がある。
覚えのない利用明細が記載されていた場合、カード会社に連絡すると不正請求分の引き落としを止めてもらえるが、これも裏面のサインがない場合、会員の過失によるものと判断されることがある。
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3,カード裏面のサインは適当でもいいのか?サインに関するQ&A
ここまで、クレジットカードの裏の署名欄にサインをすることの重要性を解説してきた。署名欄には、書き換えができない油性ペンなどで書くのが一般的だ。
そのサインはフルネームがいいのか、また漢字表記かローマ字表記かを迷う人もいるかもしれない。ここからは、よくある質問に答えていこう。
Q1,本名でなくてもいいのか?
サインについて決まりは特になく、極論を言えば何を書いてもいい。つまり、本名とは違う名前をサインとして用いても問題はない。何なら、横棒を1本引いただけのサインでも規約上は問題ないのだ。
Q2,適当でよいのか?
Q1でも述べたように、極論を言うとサインは適当でもかまわない。しかしサインの目的を考えると本名が適切だろう。イニシャルや単純な図形などは他人が真似しやすく、紛失・盗難にあった場合にカードを悪用される可能性が高まる。また、本名以外の名前は店舗で不審に思われる可能性があるので、できるだけ避けたい。
Q3,本名の表記はローマ字と漢字、どちらがいい?
最適なのは、漢字のフルネーム。漢字は画数が多く書き手の個性(クセ)が出やすいため、他人が真似しにくいというのが理由だ。また、ほとんどの日本人はローマ字表記でサインをする機会が少ないため、毎回同じようなサインを書けないことがある。
サインはカードの所有者本人であることを示すものなので、クレジットカードの署名欄のサインと伝票に書かれたサインが一致しない場合、クレジット決済できないこともある。
Q4,裏面のサインを間違ってしまった場合はどうしたらいいか?
カードの署名欄のサインを書き損じても、訂正したり上書きしたりしてはならない。そのような痕跡のあるカードは使用できなくなってしまうので、カード会社に事情を話して再発行してもらおう。
Q5,使用しているうちにサインが消えてしまったら?
Q4と重複するが、裏面のサインを上書きした痕跡がある場合は、不正利用を防止する目的でクレジットカードが利用できなくなることがある。使用しているうちに署名欄のサインが薄れてきた場合も、上書きせず再発行してもらうことをおすすめする。
Q6,家族カードではどちらの名前を書けばいいのか?
家族カードには、家族会員としてカードの発行を受けた家族自身の手で、カードの裏面の署名欄にサインをする。基本的には、その人の名前を書いたほうがいいだろう。
なお、家族だからといってクレジットカードの貸し借りはしてはならない。家族間でも不正利用がありうるため、ほとんどの店舗では受け付けてくれないし、カード会社の規約違反にもなる。
家族にカードを持たせたい場合は、その家族名義の家族カードを申し込むべきだ。
4,クレジット決済伝票にサインをするのはなぜか?サインをしなくてもいい2つのケース
クレジット決済伝票へのサインには、カードを使おうとしている人とカード会員が同一人物であることを確認するほか、伝票に記された内容を顧客が了承したことを証明するという意味もある。海外では現地通貨で表示されるので、サインする際は特に注意が必要だ。
一方で、最近はサインレスのケースもある。
サイン不要のパターン1,ICチップの情報を読み取る場合
近年増えているICチップ付きのクレジットカード。ICチップの情報を読み取るタイプの端末を使用している店舗では、サインの代わりに事前に設定した4桁の暗証番号を入力する。暗証番号を忘れたときは、サインで代用することもできる。
サイン不要のパターン2,サインレス決済を行った場合
サインレス決済ができる店舗で少額決済を行うと、電子マネーのように決済端末に触れるだけで決済できる。この場合、サインも暗証番号の入力も必要ない。
5,クレジットカード裏面と決済伝票のサインが一致しない場合はどうなるか
例えばタクシーでのクレジットカード利用時に、サインの字体を崩して記入した経験がある人もいるかもしれない。そのまま決済できてしまうことも多いが店舗側がカード裏面の決済時のサインが一致しないと確認した場合、基本的にはサインの書き直しを求められる。サインが一致しないと不正利用と見なされてしまうので、やはり書き慣れている漢字の本名を使うのがベターだろう。
6,サインを拒否した場合
伝票へのサインを求められたにもかかわらず、サインしない場合は当然クレジット決済ができない。それだけでなく、店舗からは不正利用を疑われるもあるだろう。
なお、店舗がサインを求めるのを忘れ、ノーサインで決済してしまった場合でも、店舗側からカード会社に請求することはできるので、払わなくていいということにならない。
7,サインの扱いは慎重に
印鑑文化の日本ではサインの重みが理解されにくいが、海外では本人を証明するものとして実印と同じくらい大切なものだ。クレジットカードのサインもまた、同様に大切なものと考えていいだろう。
クレジットカードのサインは数十万円、場合によっては数百万円の決済に直結するだけに、慎重に扱うようにしたい。
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
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