クレディセゾンが発行する法人カードは3枚。審査難易度や限度額・還元率など、それぞれのビジネスカードには異なる特徴・メリットがある。ここでは、どのような違いがあるかを徹底比較。選ぶ際のポイントや、どのような人がどのカードに向いているかなども紹介していこう。

目次
1,セゾン発行の法人(ビジネス)カード3枚の基本スペック
2,審査難易度は?
3,通常還元率は0.5% 各種ポイントアップの仕組みなども
4,セゾン発行の法人(ビジネス)カード3枚のビジネス特典・サービス
5,プライベートでも使える特典・サービス
6,3枚の法人(ビジネス)カードを選ぶポイントは?

1,セゾン発行の法人(ビジネス)カード3枚の基本スペック 年会費、利用限度額など

「クレディセゾン」(セゾン)が発行するビジネスカードは、アメックスブランドの3枚だ。3枚のカードの基本スペックは、以下のとおりだ。
 

カード名 入会資格 年会費 通常ポイント
還元率
主な
付帯サービス
セゾンプラチナ・
ビジネス・アメックス
個人事業主または
経営者の方
(学生、未成年を除く)
2万2,000円
(税込)
※2万円
(税別)
0.5%
(海外1%)
◆ショッピング保険
◆海外・国内空港ラウンジ
◆SAISON MILE CLUB
◆トラベル・グルメ・
ショッピング・
ビジネス等各種優待
◆海外・国内旅行傷害保険
◆アメリカン・
エキスプレス・コネクト
freeeセゾンプラチナ・
ビジネス・アメックス
個人事業主または
経営者の方
2万2,000円
(税込)
2万円
(税別)
0.5%
(海外1%)
◆ショッピング保険
◆海外・国内空港ラウンジ
◆SAISON MILE CLUB
◆各種トラベル・グルメ・
ショッピング・
ビジネス等各種優待
◆freee限定優待特典
◆海外・国内旅行傷害保険
◆アメリカン・
エキスプレス・コネクト
セゾンコバルト・
ビジネス・アメックス
個人事業主または
フリーランス、
経営者の方
(高校生を除く)
1,100円
(税込)
※1,000円
(税別)
0.5%
(海外1%)
◆特定加盟店ポイント4倍
◆ビジネス優待
◆アメリカン・
エキスプレス・コネクト

年会費と年会費優遇サービス 2万円が1万円と半額になる方法も

「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」の年会費は2万円(税別)。会員の家族または社員に持たせることができる追加カードの年会費は3,000円(税別)だ。なお、年会費優遇サービスとして、年間200万円以上のショッピング利用で次年度の年会費が1万円(税別)になる。

一方、「セゾンコバルト・ビジネス・アメックス」の年会費は1,000円(税別)。追加カードは4枚まで無料で発行できる。こちらには年会費優遇サービスはない。

利用限度額の上限 100万~900万円まで幅広い

利用限度額の上限については、公式サイトに記載されていない。

口コミ情報では、「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」の限度額は300万~500万円となるケースが多いようだが、100万~150万円に設定されるケースもあるという。一方で900万円という限度額が設定されたという話もあり、年収などの条件次第では、かなり高額の限度額になることもあるようだ。

「セゾンコバルト・ビジネス・アメックス」の限度額は、500万円と考えられている。これは、年会費が同じくらいの個人向けカードと比べるとかなり高額だ。ただし、実際の限度額は審査によって決まるため、100万円未満の限度額が設定される可能性も十分にある。

3枚の主な特徴 2枚はプラチナグレード、1枚は一般グレード

「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」と「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」はプラチナランクのカード。世界中の空港ラウンジを無料で利用できる「プライオリティ・パス」や、最高1億円の旅行傷害保険など、充実した特典・サービスが特徴だ。

ただし、「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」は、「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」と比べて優待を受けられる店舗などが少ない。その代わり、クラウド会計ソフト「freee」の名を冠していることから分かるように、「freee」関連の特典などが付帯する。

一方、「セゾンコバルト・ビジネス・アメックス」は他の2枚と比べると特典・サービスの数は少ない。しかし、ビジネスに必要なサービスがいくつか利用できるほか、特定の加盟店で獲得ポイントが4倍になる特典などがある。

2,セゾン発行の法人(ビジネス)カード3枚の審査難易度

3枚のカードは、いずれも個人事業主でも申し込める。なお、「セゾンコバルト・ビジネス・アメックス」はフリーランスでも申し込めるのが特徴だ。

一般的に法人カードでは、申し込み時に登記簿謄本や決算書の提出が求められるが、ここで紹介している3枚は、審査対象が法人ではなく個人事業主・経営者個人なので、上記の書類の提出は不要で、申し込み者個人の年収などが審査されることになる。

審査基準は公開されていないが、口コミ情報からは年収400万円以上であれば「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」の審査に通過する可能性があると考えられる。

「セゾンコバルト・ビジネス・アメックス」は年収100万円でも審査に通る可能性があるようだが、定かではない。ただし、それほど年収が高くなくても審査に通りやすいようだ。

3,セゾン発行の法人(ビジネス)カード3枚のポイントサービス

貯まるポイントはいずれもセゾンの「永久不滅ポイント」で、通常は1,000円のクレジット利用につき1ポイントが貯まる。交換対象にもよるが、1ポイント5円換算で他社ポイントや商品に交換できるものが多いので、通常のポイント還元率は0.5%ということになる。

なお、海外でのショッピング利用については2倍のポイントが付与され、「ボーナスポイント・パートナーズ」加盟店ではポイントが2倍~最大10倍となる。

ポイント交換対象 dポイントやAmazonギフト券への交換がお得

代表的なポイント交換・利用対象は、以下のとおりだ。
 

交換対象 交換数 必要ポイント
(永久不滅ポイント)
nanacoポイント 920ポイント 200ポイント
Pontaポイント 900ポイント
Amazonギフト券 1,000円分
dポイント 1,000ポイント
au WALLET ポイント
JALマイル 500マイル
ANAマイル 600マイル
支払い充当 900円分
UCギフトカード 2,000円分 500ポイント
JTB旅行券 5,000円分 1,200ポイント

交換対象によるが、おおよそ1ポイント→4~5円相当のレートと考えていいだろう。この表で言えば、Amazonギフト券やdポイント、au WALLETポイントは1ポイント→5円相当であり、比較的お得な交換先と言える。

ここからは「SAISON MILE CLUB」を含め、カードによって異なるポイント特典について紹介する。

SAISON MILE CLUB マイル還元率が1%に

「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」は、「SAISON MILE CLUB」が適用される。これは、クレジット利用で永久不滅ポイントの代わりに、直接JALマイルが貯まるサービスだ。

クレジット利用1,000円につき10マイルが付与されるので、マイル還元率は1%。通常、永久不滅ポイントを獲得してJALマイルに移行する場合は200ポイント→500マイルなので、マイル還元率は0.25%だ。つまり「SAISON MILE CLUB」を使えば、4倍のマイルを獲得できることになる。JALマイルを貯めている人にとっては、見逃せないサービスだ。

永久不滅ポイント4倍 さまざまなビジネスサービスがお得に

「セゾンコバルト・ビジネス・アメックス」は、特定加盟店で永久不滅ポイントが4倍になる。対象店舗は以下のとおり。
 

ポイントが4倍になる加盟店
AWS サイボウズ
エックスサーバー さくらインターネット
お名前.com マネーフォワードクラウド
かんたんクラウド モノタロウ
(事業者向けサイト)
クラウドワークス Yahoo!JAPAN
(ビジネスサービス)

仕事で上記のサービスを使用している人は、お得感がぐっと増すだろう。

4,セゾン発行の法人(ビジネス)カード3枚のビジネス特典・サービス

この3枚の法人カードには、共通する特典と個別のサービスがある。いずれもビジネスに役立つものばかりなので、うまく使えば年会費以上のメリットを得られるだろう。

3枚の法人(ビジネス)カードに共通する特典

  • 西濃運輸 カンガルーミニ便運賃契約優待
  • ハーツレンタカー 事前予約割引料金よりさらに10%オフ
  • ベルシステム24 電話代行サービス「e秘書」月額基本業務料12%オフ
  • DHL エクスプレスワールドワイド輸送料金10%オフ
  • TKP研修ネット5%オフ/TKP貸会議室ネット10%オフ
  • オフィス・デポ3%オフ
  • 『PRESIDENT』年間購読料46%オフ
  • 『週刊ダイヤモンド』年間定期購読優待
  • WeWork(ウィーワーク)ワークスペース初年度最大10%オフ

プラチナカード2枚のビジネス特典・サービス

「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」で利用できるビジネスサービスは、以下のとおりだ。
 

特典名 内容
セゾン弁護士紹介サービス 相談内容に合わせて、
第一東京弁護士会を通じて弁護士を紹介。
紹介に関する費用は一切不要。
ビジネス書要約サイト
「flier(フライヤー)」優待
「flier(フライヤー)」の読み放題プラン
(ゴールドプラン)を30日間無料。
さらに、月額利用料金が永久に15%オフとなる。
法人向け顧問弁護士サービス
「リーガルプロテクト」優待
法人向け顧問弁護士サービス
「リーガルプロテクト」の優待。
弁護士をはじめ、弁理士・司法書士・
税理士・行政書士のサポートを受けられる。
全自動クラウド型会計ソフト
「freee(フリー)」優待
全自動クラウド型会計ソフト
「freee(フリー)」の年額プランの
利用期間を最大3ヵ月無料で提供。

上記の特典に加えて、プラチナグレードの2枚には個別にそれぞれのビジネス特典も用意されている。

カード名 特典・優待
セゾンプラチナ・
ビジネス・アメックス
クラウド型経費精算サービス
「Staple(ステイプル)」優待
レンタルサーバー「エックスサーバー」優待
freeeセゾンプラチナ・
ビジネス・アメックス
全自動クラウド型会計ソフト
「freee(フリー)」新規申込者に
2,000円ディスカウントクーポン
ビジネスSNS「Wantedly」有料プラン初月無料
賃貸オフィス情報サービス「officee」
成約でオリジナル家具プレゼント
オフィス家具通販「Kagg.jp」国内主要メーカー
新品オフィス家具セット割引
オンラインアシスタント「キャスタービズ」
初月10%オフ
ビジネス向けインターネット接続サービス
「TRIBE-biz」特別価格
会議室・バーチャルオフィス「サーブコープ」特別価格
事業者向け通販サイト「モノタロウ」10%割引クーポン
対象税理士事務所で所定の税理士への相談1回無料

「セゾンコバルト・ビジネス・アメックス」に付帯するビジネス特典

年会費が安い「セゾンコバルト・ビジネス・アメックス」にも、プラチナカードほどではないが、個別のビジネス特典が付帯する。

  • レンタルサーバー「エックスサーバー」初期設定費用無料
  • 会計・給与クラウドサービス「かんたんクラウド」3ヵ月無料

5,セゾンの法人(ビジネス)カードでプライベートでも使える特典・サービス

そのほか、ビジネスでもプライベートでも活用できるサービスとして、「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」と「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」にはホテル・グルメ・トラベル・空港サービスなどがある。特に、世界148ヵ国、600の都市で約1,300ヵ所の空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」に無料で登録できる特典は、海外出張の多い人にはメリットが大きいだろう。

「セゾンコバルト・ビジネス・アメックス」には空港ラウンジサービスは付帯しないが、他の2枚と同様に、アメリカン・エキスプレスが提供する優待サービス「アメリカン・エキスプレス・コネクト」を利用できる。

「アメリカン・エキスプレス・コネクト」のサービスの一部を紹介しよう。

  • 国内外のホテル8%オフ
  • 海外・国内ツアー料金3,750円オフ
  • 世界中のゴルフ場で最大15%オフ
  • スターバックスオンラインサービス利用で500円オフ
  • ウェスティンホテル東京内レストランで5,000円キャッシュバック
  • 世界の厳選レストランで20%オフなど
  • ノジマオンラインで2,000円キャッシュバック
  • アジアの主要渡航先での各種優待

6,3枚の法人(ビジネス)カードを選ぶ際のポイントは?

「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」と「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」は、その特典・サービス内容から、海外出張の多い人・会社、会食の機会の多い人・会社に向いているだろう。この2枚は、共通する特典・サービス内容が多い。

「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」は、個人事業主向けの特典が充実している。内容をよく精査して、どちらが自分のビジネスに向いているかを確認してもらいたい。

一方で年会費にお手頃感のある「セゾンコバルト・ビジネス・アメックス」は、起業したばかりの人やフリーランスの人に向いているだろう。特にポイントが4倍となる特定加盟店を利用する際はメリットが大きい。

3枚のカードからどれを選ぶかは、自身のビジネスの規模や性質、利用したいビジネスサービスなどから考えるといいだろう。

>>「freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」の詳細はこちら(公式サイト)
 
執筆・モリソウイチロウ

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。  

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