会社やレストラン、カフェ、病院、アパレル業界など、BGMがかかっている職場はたくさんあります。
背景音楽があることで気分が上がる人もいるでしょうが、そのBGMが合わない人にとってはネガティブな効果を引き起こしてしまうようです。
このほど、米オハイオ州立大学(OSU)の最新研究で、職場のBGMが合わないと感じている人は、認知的な疲労度が高まって集中力が低下し、仕事のパフォーマンスが下がることが明らかになりました。
研究の詳細は2025年の学術誌『Journal of Applied Psychology』に掲載されています。
目次
- BGMが合わないと生産性が低下する
- 音楽は使い方次第で「敵」にも「味方」にもなる
BGMが合わないと生産性が低下する
カフェで流れるジャズ、アパレルショップのアップテンポなポップス。
私たちは無意識のうちに、さまざまな場所で音楽に囲まれて暮らしています。
特に職場では「音楽があるとリラックスできる」「モチベーションが上がる」と感じる人も多いかもしれません。
実際、音楽は気分の向上やストレス緩和に効果があることがこれまでの研究でも示されてきました。
コロナ禍以降に増えてきたリモートワークにより、自宅で好きな音楽をかけながら作業をしている方も少なくないでしょう。
しかし今回の研究では「BGMはすべての従業員に常に良い効果をもたらすわけではない」という、従来の考えとは異なる結果が得られました。

研究チームは今回、オンライン上で166人のフルタイム労働者を対象に実験を行いました。
参加者は最初に、自分にとって理想的な音楽の特性(音量、テンポ、複雑さ、感情的強度)を評価します。
その後、異なるプレイリスト(明るく活発なポップス/落ち着いたスローテンポ曲)を聴きながら創造性を問う課題に取り組みました。
結果として、自分のニーズと一致しない音楽を聴いていたグループは、ポジティブな感情が減少し、精神的・認知的な疲労感が強くなっていることがわかりました。