欧米で行われているオンライン詐欺は特に手が込んでいる。政府や公的機関の名称を利用する詐欺が多く、日本人から見れば荒唐無稽と思われるような手口を使うが、被害者の母数が多ければ、中にはこんな分かりやすい手口にコロッと騙されてしまうものだ。

オンライン詐欺に関しては、概ね以下の4点が問題視されている。

・技術の活用:ディープフェイク、ソーシャルエンジニアリング、暗号資産
・ターゲットの多様化:個人、企業、政府機関
・匿名性:VPN、ダークウェブの活用
・被害額の増大:年々、被害額は増大(オンライン広告詐欺だけで年間13兆円)

また、世界の地域別にその内容には一定の傾向があるようだ。

アジア(東南アジア、中国、日本)
手口はロマンス詐欺オレオレ詐欺暗号資産詐欺が主で、ミャンマー、カンボジア、フィリピンを拠点にするケースが多く、背後には中国系犯罪組織が関与しており、人身売買、強制労働を伴うケースが多い。2024年は日本における被害は400億以上あり、中国国内の被害は数十億ドルの被害が報告されている。

欧州
フィッシング詐欺CEO詐欺(ビジネスメール詐欺)偽ショッピングサイトを使い、東欧(ルーマニア、ウクライナ)の犯罪組織が関与し、詐欺総額は30億ユーロ(約5,000億円)規模に上る。

北米(カナダ、アメリカ)
テクニカルサポート詐欺IRS(米国歳入庁)詐欺ギフトカード詐欺が主で、インドやナイジェリアをコールセンター拠点に置くケースと、SNS広告、偽アプリ経由が多い。FBIの調査で約50億ドル(7,300億円)の被害があると言われている。

アフリカ
419詐欺(ナイジェリア詐欺)偽チャリティ詐欺雇用詐欺

中南米
偽宝くじ詐欺ランサムウェア偽旅行詐欺

オセアニア(オーストラリア、ニュージーランド)
投資詐欺偽慈善団体詐欺SMS詐欺。

このように、犯罪者集団はあの手この手で詐取しようとする。巧妙なのだ。

技術の進化