街ではまだまだ残暑が続いていますが、山は早くも秋の気配が漂い始めます。朝夕の気温と水温が急激に下がり、魚たちは本格的な冬を前に荒食いを始める季節です。
この時期は、ダムや湖の上にある沢を狙います。暑い夏を乗り越え、大きく成長した魚が産卵のために遡上してくるのです。羽虫系のエサを中心に、大きめの毛鉤で大物を狙うのが基本です。
ただし、山では昆虫類が減り始める時期でもあります。初夏のように毛鉤の選択肢を多めに用意し、さまざまな状況に対応できるようにして臨みたいところです。
産卵時期の配慮と心得
前述のとおり、気候が少し涼しくなり、魚も冬に向けて荒食いをする時期であることから、他のシーズンよりも比較的釣りやすく、釣果も出やすい時期です。
大物も出やすいですが、中にはすでに産卵準備に入ってペアリングを始めている魚もいます。こういった魚はエサにほとんど反応を示しませんが、時には釣れてしまうケースもあります。
筆者も以前、ペアリング中の大物のオスを釣ってしまったことがあります。残されたメスが所在なげに1匹で漂っている姿を見て、非常にやるせない気持ちになりました。こういったシーンに出会った際には、釣りを控えるのがスマートな対応です。

季節攻略で渓流テンカラを楽しもう
渓流釣りは、魚を釣る楽しみはもちろんのこと、季節ごとに変わる美しい山の景色や時間と出会える釣りでもあります。場所によっては危険も伴いますが、安全に十分注意を払いながら、この釣りの魅力を存分に楽しんでください。
<夏野/TSURINEWSライター>