ケヴィン・ベーコン(左)、キーラ・セジウィック(右)ケヴィン・ベーコン(左)、キーラ・セジウィック(右) lev radin / Shutterstock.com

俳優ケヴィン・ベーコン(66)が、2008年に発覚したバーナード・マドフによる史上最悪規模の金融詐欺事件で被害を受けた経験と、その後の人生について語った。

 

2008年、史上最悪の金融詐欺事件が発覚

マドフは数十年にわたり、投資家に「安定した高利回り」を保証するとして資金を集めながら、実際には新たな出資者から得た資金で既存投資家に配当を支払うという、典型的なポンジ・スキームを展開していた。被害総額は実に650億ドル(約7兆円)にのぼり、世界中の投資家や著名人が巻き込まれた。

 

ベーコン夫妻も数百万ドルの損失

ケヴィン・ベーコンと妻で女優のキーラ・セジウィック(59)もこの詐欺に投資しており、「数百万ドル」の資産を失ったと報じられている。だが、ケヴィン・ベーコンはその損失から立ち直り、現在も俳優として第一線で活動を続けている。

エスクァイア誌のインタビューで、ケヴィン・ベーコンは「確かに辛かったし、怒りもあった」と語った。しかし翌日には、「愛する人がそばにいて、子どもたちも健康。自分たちにはまだ仕事がある」と前向きに気持ちを切り替えたという。

ニューヨークのジムに通うケヴィン・ベーコンは、脚のトレーニングマシンからマドフのかつてのオフィスビルが見えることを明かし、「痛みに耐えながらそのビルを見るたびに、『これも乗り越えられる』と思う」と語る。その光景は、自らが乗り越えた苦難の象徴となっているようだ。

 

夫婦の絆はさらに強く

事件後、夫妻の関係はむしろ深まった。「冷めたり皮肉屋になったりはしなかった。ただ、もっと慎重になっただけだ」とケヴィン・ベーコンは語り、「もし話がうますぎると感じたら、それは大抵うますぎるものなんだ」と述べている。

また、2015年の別のインタビューでは、「逆に2人の間に火がついた」とユーモアを交えて語っており、苦境をポジティブに転換する姿勢が印象的である。