
元日本代表FWの本田圭佑(無所属)が4月2日、東京都内で、自身が考案した小学生世代の4人制サッカー大会「4v4(フォーブイフォー)」の2025シーズン概要発表会見を開いた。会見後には、日本サッカー協会名誉会長の田嶋幸三氏を迎え、約25分間にわたってトークセッションが行われた。
冒頭、「僕と田嶋さんだったらコーチングライセンスの件1時間くらい話した方がめちゃくちゃ盛り上がるんじゃないかなと思いましたけど」と語り、会場を笑わせた本田。過去に指導者ライセンス不要論を唱えてきた経緯を踏まえると意味深な一言ではあったが、この日はそのテーマには深入りせず、「4v4が切り開くサッカーの未来と可能性」を軸に議論が進んだ。
本田は、監督やコーチがいない4v4の特徴に触れたうえで「成功しているサッカー選手を見ると、良くも悪くもコーチや監督の言うことを話半分で聞いているところがある」「今はコーチの言うことは聞ける一方で、現場でのハプニングに弱くなっている印象がある」と述べ、主体性を育てる重要性を強調。
これに対して田嶋氏は、「全体の層を上げることができたから、殻を破れる子が出てきたというふうにも思っている。初めから何でも自由にやらせていたら、本当にいい方向に行っていたかというと、違う部分があるんじゃないか」と応じた。
話題は教育現場や家庭環境にも及んだ。本田は「子供のことを考えれば考えるほど、いい意味での放任主義になるはず」「たくさん可能な範囲の失敗をさせることが教育の本質」と持論を展開し、田嶋氏も「全くの同感」と語った。
中学校部活動の地域移行についても、本田は「かなりサッカーは危機感ですし、スポーツ全体の危機感ですよね」とし、田嶋氏は「まさにそう思う」「部活の良かったところっていうのをもっと議論してほしかった」と述べた。