一番いい方法は相手の話を復唱することだ。「今の世の中、絶対にこれはおかしいと思う!間違っているよな!」と相手が熱弁を奮った時は「よく分かりました。もう絶対に許せないぞ!という強い憤りを感じておられるんですね」と返す。

相手の話を復唱するということは、しっかりと話を聞き取っていなければ普通はしない行動だ。これで大体の年配者は「分かってくれて嬉しいよ」と落ち着く。

逆にやってはいけないのが、相手の話を遮ったり面倒くさそうに聞き流すことだ。それをすると「何が何でもしっかりと伝えなければ」とムキになって余計に話が終わらなくなる。

中年以降は話し方を学ぼう

筆者がおすすめしたいのは、中高年以降は改めて「話し方」を勉強することだ。

若い頃はみんな話を聞いてくれる。また、若者にとっての話し方の勉強とは敬語やビジネスコミュニケーションを学ぶことだ。しかし、中高年以降が学ぶべき話し方とは「くどくない。長くない。しつこくない話し方」なのである。

1つ目は「相手は自分に興味がない」という本質を理解することだ。この世で自分に強く興味を持ってくれているのは親と恋人、親友くらいなものだ。

同僚や知人、SNSのつながり程度の相手は「相手が自分に与えてくれるメリットとなるスキルや能力以外にまったく興味はない」くらいに思った方がいい。

2つ目は「分かってもらおうと思わない」。人間はすべての人が違う考え、価値観を持っている。親子、兄弟、配偶者、残念ながら全員違う。

そのため、無理に自分を理解してもらうのは無理である。くどくどと長話を聞かせるのは半分暴力と同じだ。

もちろん、ビジネスの取引先や顧客の課題を理解する努力は必要で自分も強く意識しているし、努力する過程や意欲はできるだけ理解したいという気持ちは持っている。だが、相手の人生観や生き方の細部まで理解するのは無理だ。最初から相手に高すぎる期待値は持たないことだ。