EEUU. ADMINISTRACIÓN TRUMP DEPORTA CIENTOS MIGRANTES A EL SALVADOR. 20-03-2025.

トランプ政権による261人のエルサルバドルへの送還には裏がある

既に日本のメディアが報道しているように、トランプ政権は3月17日、エルサルバドルに向けて犯罪組織メンバー261人を送還したと報じた。

しかし、この報道の内容は正確ではない。261人の内の犯罪組織のメンバーは137人で、101人は単に米国への違法入国者だということ。そして残り2人はエルサルバドルの犯罪組織マラ・サルバトゥルチャ(MS13)のリーダーたちだだったということ。

この送還には隠された内容がある。それを次に説明したい。

今回の送還にあたり、トランプ政権は1798年の「適正外国人法」を適用した。しかし、彼らの送還が違法であるとして送還の中止の判決をくだしたワシントンの地方裁はこの法律の適用は不適切であるとした。しかも、この法律は国家の安全を脅かす人に対して適用されるものだ。だから上述犯罪組織のメンバーはそれに匹敵するとしても、101人は単に不法に入国したというだけで、この法律の適用は正しくない。

またMS13のリーダー2人は米国で公判が予定されている人物であった。が、エルサルバドルのブケレ大統領は彼らの送還を米国に要求していた。というのも、ブケレ政権はMS13のメンバーが古い刑務所でおとなしくしているためにこの二人のリーダーと裏交渉をしていた形跡があるということ。米国で公判になれば、その秘密が明らかにされて、ブケレ政権にとって都合が悪いからだというのが送還の理由だとされている。

犯罪組織トゥレン・デ・アラグア

次に上述の137人が所属していた犯罪組織に就いて言及する必要がある。この組織というのはベネズエラで2013年に誕生したトゥレン・デ・アラグア(Tren de Aragua)と呼ばれている組織だ。この組織はベネズエラのアラグア州のトコロン刑務所内で誕生した。名前の発祥は同州を支配していた鉄道の労働組合のメンバーが鉄道の建設に使う部品などを盗んで密売していたことから彼らを称してアラグアの鉄道(のメンバー)と呼ばれるようになったことに由来している。