Apple Payの影で目立たないが、電子マネーやポイントカードをスマホ1台で管理できる「Google Pay」はAndroidスマホで使える便利なサービスだ。

端末はロックしたままで電子マネー支払い

電子マネーのおかげで小銭を持ち歩くことは少なくなったが、今度は電子マネーのカードがかさばるようになってきた。各電子マネーに対応したアプリで管理すればいいのだが、レジの前で使える電子マネーを確認してアプリを立ち上げるのも意外と面倒だ。

そこで検討したいのが、電子マネー(Suica・nanaco・WAON・楽天Edy)を一括管理できる「Google Pay」。Google Payを使って店舗で支払いをするには、おサイフケータイ機能の付いたAndroid(5.0)スマホが必要で、Google Payアプリに電子マネーカードを登録して使うことになる。

店舗での支払い時には、各電子マネーのサービス名を告げ(「楽天Edyで支払います」など)、カードリーダーへかざすだけ。このとき端末のロックを解除したり、Google Payアプリを立ち上げておいたりする必要はなく、NFCを有効にしておくだけでよい。

Suicaが利用できる交通機関であれば、改札機に端末をかざすだけで乗車料金を支払うことができる。

何枚ものポイントカードもスマホに収まる

各電子マネーへは、Google Payアプリ上の操作により、Googleアカウントに登録したクレジットカードからチャージすることができる。ただし、WAONへチャージするには「イオンマーク」のついたクレジットカードが必要で、nanacoに関しては、セブン-イレブン店頭などで現金によるチャージしか行えない。

なお、クレジットカードへの対応も今後進んでいくようだ。Google Payアプリによる店舗での支払いについては、2018年夏以降に、JCBとジャックスがGoogle Payに登録できるようになるほか、プリペイド式のVisaカード「Kyash Visaカード」も登録可能となる。

加えて便利なのが、電子マネーカードと同じく財布が厚くなりがちな各種ポイントカードを登録して一括管理できることだ。初期設定で対応しているのはTポイントカードとdポイントカードだが、カードのバーコード面をスキャンすることでアプリに追加できるので、原則的にはどんなポイントカードでもスマホに収められる。

モバイルSuicaの年会費が無料になる

Google Payのおトクな使い方についても触れておこう。

クレジットカードから電子マネーにチャージする場合、発行元が同じカードからのほうがクレジットポイントが貯まりやすいことはよく知られている。

たとえば、JR東日本グループのクレジットカード、ビューSuicaからSuicaにチャージするとポイントは3倍となり(還元率1.5%)、楽天カードから楽天Edyにチャージするとクレジットポイントと電子マネー利用ポイントが両方得られるため、実質還元率は1%となる。

Google Payで電子マネーにチャージする場合も上記をを念頭に置いておくといいが、それとは別に、Google Payアプリを使うと、ビューカード以外からSuicaにチャージする場合におトクになるというメリットがある。

モバイルSuicaアプリを使ってビューカード以外のクレジットカードからチャージする場合、通常は年会費として1,030円(税込)が必要となるが、Google Payアプリを使うと、年会費無料でどのクレジットカードからもSuicaへチャージできるのだ。

これまでモバイルSuicaの年会費を支払っていた人は、それが無料になるのだから、Google Payアプリを導入しない手はないだろう。このことも含め、使い方しだいではかなり便利に使えるサービスといえるだろう。

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執筆・モリソウイチロウ

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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