しかし、そんな「ハズレウマヅラハギ」も、ちょっとの工夫で美味しく食べる事ができます。使うのは「酒」と「塩」です。
ウマヅラハギはできれば生きているうちにエラを切り、血抜きを済ませておきます(これができないと肝の生食は難しい)。三枚におろし、身の両面に多めに塩振って、キッチンペーパーにくるんでおきます。肝のほうもたっぷりの塩をふりかけ、小さな容器に入れて日本酒をひたひたになるまで注ぎます。
10分ほどおいたらキッチンペーパーを取り、流水でさっと洗い流します。このとき3秒以上洗うと水っぽくなってしまうので注意が必要です。肝臓も洗い、同時に残った血などをしっかりと落とします。

この状態で肝あえにすると、臭みが抜けるだけでなく身が僅かに締まり、ウマヅラハギの欠点とも言える「水分の多さ」も気にならなくなります。塩気が少し入っているので、醤油をかけるときは控えめにするのがコツです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>