さらに、今回のアカデミー賞の追悼コーナーでは、今年2月26日に亡くなった女優ミシェル・トラクテンバーグの名前も取り上げられなかった。

彼女は1996年の映画『ハリエットのスパイ』で主演を務め、その後も『インスペクター・ガジェット』(1999年)、『ユーロトリップ』(2004年)、『ブラック・クリスマス』(2006年)、『セブンティーン・アゲイン』(2009年)といった映画に出演している。

しかしながら、ミシェルもまたテレビドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜』や『ゴシップガール』での活躍が印象的だったため、アカデミー賞側は彼女をリストから外した可能性がある。

 

曖昧になる映画とテレビの垣根

ジェニー・ガースの憤りは、単なる個人的な感情ではない。映画とテレビの垣根がますます曖昧になっている現代において、テレビ界で活躍した俳優を軽視するアカデミー賞の姿勢に対する疑問を投げかけている。

かつてハリウッドは映画を頂点とし、テレビはその下に位置づけられる風潮があった。しかし、現在ではストリーミングサービスの普及によって、映画とテレビの区別が曖昧になってきている。そうした時代の変化を考慮すれば、シャナン・ドハーティーやミシェル・トラクテンバーグのような俳優を追悼リストから外すことは時代遅れの判断ではないだろうか。

ファンや関係者からの批判を受け、今後アカデミー賞側がどのような対応を取るのか注目される。