少しばかり下流へ行くと、そこに一人だけ竿を構えている人がいたので話を聞いてみることに。約一時間釣りをしたところ、モロコが少し上がるばかりでタナゴの姿は一度も見ていないとのことでした。水深はお世辞にも充分と言える水量ではなく、かなり浅い水深で所々深みがあるような感じでした。場所の問題なのかと思いましたが、その場にいた釣り師は筆者にここ最近の事情を教えてくれました。
タナゴに関しているにはいるそうなのですが、昔の方がもっといたと仰っていました。何でも手ですくえる程の量だったらしいです。今でも場所が合えばその位の数はいるが、かつては場所を選ばずともたくさんの魚がいたとおっしゃられていました。

それもそのはずで、着いた場所は川底や岸がコンクリートで整備されている川でした。タナゴは二枚貝やドブ貝などに卵を産みつけるので、貝がいないと繁殖ができません。川底が泥や土でないと貝は生きていくことが難しいことに加え、他の生き物も生きていくことは難しいでしょう。昔のほうがたくさんいたというのは、言わずもがな分かるような気がしました。もう少し暖かくなればタナゴの姿も増えるのかどうか……。
次こそは
釣り具一式は持っていましたが、今回は釣りをする気になれずそのまま帰宅することに。時代の流れと共に変化していくことは多くありますが、その流れが悲しい思いになることになるとは思いませんでした。時代の流れで消えていった悲しい思いはこれまでにもたくさんありましたが、まさか釣り場が消えているなんて考えてもいませんでした。
かつて楽しんでいた釣り場が消えていたことはとてもショックでしたが、魚を釣りたい欲は帰ってから湧いてきてしまったので今度こそはタナゴを釣りに行きます。次こそはタナゴが釣れた時の記事を書きたいものです。
<泉陽登/TSURINEWSライター>