私たちが日常的に何気なく使う10円。その小さな金額が、積もり積もれば、実は海の環境を守る大きな一歩になるかもしれません。今回は、筆者がユニクロの店舗で見かけた「瀬戸内オリーブ基金」について調べ、その意義と活動内容を紹介します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

「あなたの10円で海が綺麗になる?」瀬戸内オリーブ基金について調べてみた

ユニクロで見かけた「瀬戸内オリーブ基金」

「瀬戸内オリーブ基金」は、瀬戸内海エリアの環境保全と、かつてのきれいな自然環境の「再生」を目的とした基金です。海の汚染を減らし、豊かな生態系を取り戻そうとする、瀬戸内オリーブ基金のその活動の背景には、過去に起きた「豊島事件」という公害問題があります。

「豊島事件」の意義と教訓

豊島事件とは、1970年代から続いた産業廃棄物の不法投棄問題です。香川県豊島に大量の産業廃棄物が不法投棄され、海や土壌の汚染が深刻化しました。住民の長年にわたる訴えと努力によって、公害の責任が認められ、現在は環境再生が進められています。この事件を通じて、環境問題の深刻さと、市民の声が社会を動かす力を持つことが証明されました。

瀬戸内オリーブ基金の取り組み

瀬戸内オリーブ基金は、地域の環境を守るためにさまざまな活動を行っています。主な取り組みは以下の通りです。

ボランティアによるゴミ拾い活動

瀬戸内海沿岸では、約1,800名のボランティアが参加し、定期的にゴミ拾いを行っています。これにより、プラスチックごみの削減や生態系の回復が期待されています。

基金の活用

集められた募金は、環境保護団体に渡され、瀬戸内海の環境改善のために使われます。例えば、植林活動や海洋生物の保護活動などに活用されています。

「あなたの10円で海が綺麗になる?」瀬戸内オリーブ基金について調べてみた募金が力に(提供:TSURINEWSライター井上海生)

オリーブを活用した環境再生

オリーブの木は、瀬戸内海の環境回復に重要な役割を果たしています。オリーブの植樹活動を行うことで、土壌の浄化や生物多様性の回復が期待されています。さらに、オリーブの実から採れるオイルの販売などを通じて、環境保全活動の資金源として活用されています。

環境教育プログラムの実施