養殖や畜産動物は「体重を1kg増やすために何kgの餌が必要か」という視点でコストが比較されます。この数値を飼料効率というのですが、例えば近年養殖が盛んなサーモンでは1.1~1.3程度なのに対し、マグロの場合はなんと13~15にも及ぶのです。

この課題を解決するため、最近ではマグロの「短期養殖」という方法も注目されています。これは稚魚ではなく、体重30kg以上(多くは80~100kg程度)の成魚のマグロを漁獲し、それを半年ほど蓄養してから出荷するというもの。
たった半年で意味があるのかと思いきや、蓄養後は100~200kgにも達するのだそうです。短期養殖で育てたものは養殖個体特有の臭みも少なく、食味の良いということで、大手水産会社もこぞって参入しているといいます。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>