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コロナワクチンは、「感染予防効果はないが重症化予防効果があるから」という理由で、現在、国も関連医学会もコロナワクチンの接種を推奨している。
昨年12月17日に開催された参議院予算委員会でも、川田龍平議員の、「わが国が高齢者にコロナワクチンの接種を勧めるのは、ワクチンに重症化予防効果があるからなのか」という質問に対して、石破総理大臣は「コロナワクチンには重症化予防効果があると認識している。」と答弁している。しかし、わが国におけるその根拠とされる研究は、小規模でかつ観察期間も短く、十分な根拠にはなり得ない。
重症化および死亡予防効果を検討するには、ワクチン未接種のグループと接種したグループを、大規模にそれも長期間にわたって比較したリアルワールドのデータが、最も説得力がある。イギリスやイタリアから報告されたリアルワールドデータでは、コロナワクチンに死亡予防効果は見られず、未接種群と比較してワクチン接種群の方が、かえって死亡率が高かった。
リアルワールドデータによるコロナワクチン接種回数別全死因死亡率の検討

リアルワールドデータによるコロナワクチン接種回数別全死因死亡率の検討
わが国では、小規模な臨床研究をもとにして得られた重症化や入院予防効果が、コロナワクチン接種を推奨する根拠とされている。
しかし、ワクチン接種後に心血管障害などで死亡する症例もあることから、研究者の間では、ワクチンのメリットとデ...
わが国には、全国規模で未接種群と接種群の重症化や死亡予防効果を検討したリアルワールドデータは存在しない。
最近、いくつかの地方自治体が、コロナワクチン接種後の死亡に関するデータの開示を始めた。開示されたデータには、年齢、ワクチンの接種回数、ロット番号、接種日、さらに死亡した場合には死亡日が含まれているので、ワクチンの死亡予防効果の検討が可能である。