「拡大しないと約束した?」それを100%信じる方がおかしい。各国には独立国としての主体性がある。参加するかを決めるのは、ウクライナであり、似たような米国による世界の民主化実現のために支援された日本も含む各独立国なのだ。米国はそうあって欲しいという気持ちだけだ。
いや、プーチン自分の論理が成立しないことが分かった上で、それを利用しているだけ。そこに乗り、プーチンの侵略を正当化するような一部日本人識者には呆れる。
国際政治に100対ゼロはない。プーチン軍侵攻直前に「米軍を覇権しない」と言ったバイデンのミスもあり、完全否定はできないが、ウクライナ紛争の責任はロシアではなく米国にあるというのは、飛んでもない詭弁だ。大国だけが各国の行先を決めるのではない。
これまでの米国による世界の民主化への努力。ウクライナ紛争も1つの例だが、その結果、「これこれの問題が起きた。米国が問題を引き起こす国だ」と批判する日本人識者が多い。だがトランプ誕生で「普通の国」になった米国は、これからそんな努力などしない。その結果、世界がどうなるか、そのような識者は直視するべきだろう。
一番重要なことは、今回のウクライナ紛争の責任のほぼ全ては、プーチンにあると言うことだ。
今後の展望
ウクライナのNATO加盟が停戦の条件となれば、ロシアが応じる可能性はゼロに等しい。しかし、停戦後にプーチンが約束を破り、ウクライナ侵略を再開すれば、その瞬間にウクライナはNATO加盟国として保護され、NATOが即座に軍事行動を起こす。この案は、現在、抑止としての同盟関係があり、一義的に重んじられている。しかし「開戦後」に同盟国になるというのは、色々な側面で難しい。ワシントンで議論されているが、欧州側やNATO内での協議は進んでいない。
そして、「自国優先の普通の国」へと変容したトランプのアメリカは、もはやその戦略実現に関与しない可能性が高い。