ビジネス
2024/09/27
新・中野サンプラザ再開発ストップの衝撃:中野区政に与えるインパクト
負担はすべて大切な税金、現・中野サンプラザが空き家となって残り続けることで、恐ろしい事態となる。
5. 残る中野区・施工予定者に対する疑問・疑義
ここまでの事態になるまで中野区は何をしてきたのだろうか。物価高騰等の社会情勢の変化を鑑みれば、迅速に事業を推進すべきであったが、マネジメントに失敗、図3に示す当初スケジュールから大きく遅れてしまった。施工事業者に確認をしてきたとの回答だが、どこまでできていたのか疑義がある。
直近の動きで区が持つ情報としては、施工事業者は2024年7月上旬に2636億円で東京都に事業認可申請をした、8月下旬に清水建設から野村不動産に900億円増額した見積もりが提出された。野村不動産は中野区にその件を報告、中野区は精査をするように要望、9月13日に「今年度の着工は難しい」と回答、9月19日に議会で判明した。
清水建設は2024年3月の決算で創業以来初の営業赤字になったとの報告があった。その原因に麻布台ヒルズがあったとのことである。
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この事態に中野区が議決を求める前にその件を含めた協議ができていたのか。また7月上旬から2か月もたたない8月下旬に見積金額が900億円も上昇するとは考え難い。ヒューリックが4月上旬の時点で辞退したのはそのあたりの情報があったのではないか、疑念がぬぐえない。
中野区はこれまでの監督不行き届きを猛省し、この状況を最少失点で乗り切るための努力が求められている。
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