2017年、バラスト水に関する国際条約(バラスト水管理条約)が発効され、船舶は承認されたバラスト水処理装置での処理が義務付けられています(船舶バラスト水規制管理条約の現状について-環境省)。

外来種だけど減ってしまうと困る

ホンビノスガイは千葉県船橋の新名物となり、2017年には1676トンもの漁獲量を記録。漁獲量増加に伴って流通量も増加、市場でもごく普通に見られる貝類となりました。

飲食店での取り扱いも増え価格も次第に高騰しています。かつて、「白ハマグリ」として安価なハマグリのような位置づけでしたが、現在のホンビノスガイに安価なイメージはありません。

外来種だけど減ると困る【東京湾のホンビノスガイ】 食用としての地位を確立?調理されるホンビノスガイ(提供:PhotoAC)

そんなホンビノスガイですが、三番瀬での漁獲量は2017年のピークを境に減少傾向といいます。

船場市ホームページで公開されているホンビノスガイの漁獲量を見ると令和元年772トン、令和2年438トン、令和3年199トン、令和4年81、令和5年53トンと著しく減少していることが分かります(船橋の漁業-船橋市)。

ホンビノスガイの減少の原因はいくつ考えられており、バラスト水管理条約により日本へ移入するホンビノスガイが減少したとの指摘もあるようです。

本来、外来種は駆除の対象となるため、ホンビノスガイのような例は珍しいと言えます。現在では、国内での資源量が減少し水産業者にも影響が及んでいます。今後、ホンビノスガイがどのような立ち位置になっていくのか目が離せません。

参考

「新江戸前の貝図録」-一般財団法人東京都内湾漁業環境整備協会

ホンビノスガイについて-千葉県

<ちばライブ>「江戸前の新名物」水揚げピンチ 三番瀬ホンビノスが激減 専門家「資源再生着手を」-東京新聞

<サカナト編集部>