これは遺伝情報の記録されたDNAが複雑に折りたたまれてできたものです。
染色体には遺伝情報を親から子へと伝える重要な役割があり、父と母から23対(計46本)の染色体が受け継がれます。
そして染色体の先っぽを覆うように付いているのが「テロメア」です。
よく靴ひもやパーカーのひもの先にプラスチックのキャップが付いていますが、あれをイメージするとわかりやすいでしょう。
このキャップは靴ひもが解けないように保護する役割がありますが、テロメアにも同じく染色体を保護する働きがあるのです。
テロメアの長さが「細胞分裂できる回数」を決める
私たちの体は日々、細胞分裂をすることでDNAを複製しながら、体組織を再生したり修復しています。
そしてテロメアはこの細胞分裂の最中に、染色体が劣化したり、染色体同士がくっつくのを防いでいるのです。
ところがテロメア自体は細胞分裂によって複製されることはありません。
細胞分裂の度ごとに、テロメアの長さはちょっとずつ短くなっていくしかないのです。
そしてテロメアが一定の長さまで短くなると、細胞はもはや分裂することができなくなり、体組織の再生や修復ができなくなって、老化が進行し始めます。
もちろん、細胞分裂ができなくなると、肌もどんどん弱ってきて、シワやシミができやすくなります。
つまり、テロメアが長ければ長いほど、細胞分裂ができる回数も多くなるので、その分だけ体の老化が遅く、寿命が長くなる可能性があるのです。
ではKCLの研究で、ニキビ肌とテロメアにはどのような関係性が見つかったのでしょうか?
ニキビ肌の人は「テロメア」が長かった!
チームは2016年の研究で、イギリス在住の女性1205名を対象に調査を行いました。
参加者の4分の1は過去のある時点でニキビ肌に悩まされていたことがわかっています。
さらに参加者の年齢・体重・身長などを考慮した上で、それぞれのテロメアの長さを調べた結果、ニキビ肌に悩まされていた女性はニキビを経験しなかった女性に比べて、一貫してテロメアが長い傾向にあることが判明したのです。