2024明治安田J1リーグ第30節の計10試合が、9月13日と14日に各地で行われた。湘南ベルマーレは14日、敵地デンカビッグスワンスタジアムにてアルビレックス新潟と対戦。最終スコア1-3で敗れている。
自陣後方からのパス回し(ビルドアップ)が得意な新潟に対し、有効な守備を行えなかった湘南。ボールの奪いどころがはっきりしない守備が災いし、前半だけで2失点。この時点で試合の主導権が新潟に渡ってしまった。
この試合を迎えるにあたり、湘南がすべき準備とは何だったのか。ここでは第30節新潟戦を振り返るとともに、この点を中心に論評していく。
怠った新潟2センターバックへの守備
この試合における両チームの基本布陣は、新潟が[4-4-2]で湘南が[3-1-4-2]。ルキアンと鈴木章斗の両FW(湘南2トップ)の立ち位置から、新潟2センターバックとボランチ間のパスコースを塞ぐ意図が窺えたが、ホームチームのパスワークを封じるにはこの守備だけでは不十分だった。
湘南2トップが新潟2ボランチへのパスコースを塞ぐことに重きを置いたため、このデメリットとして新潟2センターバック(稲村隼翔と舞行龍ジェームズの両DF)への寄せが緩くなる場面がしばしば。端的に言えば、新潟2センターバックによる自由な配球を許したことが複数失点に繋がった。
この現象が前半3分に早速見られ、ここでは自陣後方でボールを保持した稲村に対し、湘南FW鈴木章斗がプレスをかけていない。これに加え新潟FW長倉幹樹が鈴木章斗の斜め後ろへ立ち位置を移し、稲村からの縦パスを受け取っている。ルキアンが新潟2ボランチの一角を捕捉したうえで、鈴木章斗が稲村に寄せるといった工夫もこのシーンでは見られなかったため、稲村としては容易に配球できる状態だった。