通常、「真つぶ」または単に「つぶ」と呼ばれるエゾボラですが、市場関係者の中では「Aつぶ」とも呼ばれることもあります。「Aつぶ」があるなら「Bつぶ」も存在するのか? と考えますよね。もちろん「Bつぶ」も存在します。

Bつぶと呼ばれるエゾバイ科の巻貝は複数存在し、Aつぶよりも安価であることから呼び名が付きました。代表的なBつぶはアツエゾボラで、エゾボラ同様にエゾボラ属の巻貝ですが、エゾボラと比較して貝殻が滑らかな印象を受けます。本種の他に、エゾボラモドキなども地域によってBつぶと呼ぶそうです。

白バイと黒バイ

関東のスーパーや居酒屋でもよく見かける白バイ、黒バイと呼ばれる巻貝たち。

一見、どちらも同じグループの巻貝に見えますが、白バイ(エッチュウバイ)はエゾバイ科エゾバイ属なのに対して、黒バイ(バイ)はバイ科バイ属の巻貝です。白バイはエゾバイ科に属するもののつぶ貝の名称で呼ばれることはほとんどありません。

食用の「つぶ貝」は30種以上 真つぶ・磯つぶ・毛つぶ・青つぶ・Aつぶ・Bつぶなど多彩黒バイ(提供:PhotoAC)

白バイや黒バイは主に日本海側が産地となっており、関東にも広く流通しています。

「つぶ貝」といわれる貝には実に多くの種類がいるのでした。また、エゾバイやエゾボラなど似た名前が多い為混同しないように注意が必要です。

<前田/サカナト編集部>