このうち特に重要なのは、6の公的年金の廃止と10の負の所得税である。フリードマンは公的年金を廃止して、所得再分配を税に一本化するよう提案した。進次郎氏は社会保障にはまったくふれていないが、これこそ現在の日本の最大の問題であり、特に高齢者医療の過剰医療が日本経済の重荷になっている。
『もしフリ』に描いたフリードマンの提案のうち、2の変動為替相場と5の電波オークションは実現したが、他はほとんど実現していない。すべて実現する日は、おそらく永遠に来ないだろう。それは彼が間違っていたからではない。彼の政策があまりにも合理的で、既得権を侵害するからだ。この意味で、残念ながら『資本主義と自由』は永遠に新しい古典である。
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