よく見ると「ブラクリ」という仕掛け名まで出てくる。へえ。ブラクリって昭和の頃からあった仕掛けなんだ……。私としては2000年代みたいな気がしていたのだが。

サビキづり

サビキづり。「サビキ」と短く言う。アジやサバやカタクチイワシが対象魚と書かれている。要するに口の小さい回遊魚だ。そして今も昔も変わらず無限大量に釣れるから面白い。海の原則は変わらない。

昭和の図鑑から学ぶ陸っぱりのエサ釣り さぐり釣りとサビキ釣りは普遍的な楽しみ方?今はジグサビキに(提供:TSURINEWSライター井上海生)

個人的に今はルアーフィッシングばかりなので、エサのサビキはやらなくなっている。メタルジグを使ったジグサビキはやる。ちなみに、エサのサビキ師の潮下でサビキをゆらゆらさせていると、オマケでこっちのサビキにも食ってくることは、少年の自分も知っていた気がする……。

図鑑が語る釣りの注意点

上の絵図の中に、岸で釣り具の作業をするときに、「海に背中を向けてはあぶないよ!」という注意書きがある。そうか。私など、イトのノットのときや、釣った魚の撮影のときには必ず海に背中を向けるようにしているが、確かに突然波が迫ってきてもおかしくない。突風が来たら背中向けに倒れそうだ。

この頃から、岸に立つ父子は、ライフジャケットのごときを身に着けている。まだまだ安全基準にかかわる「桜マーク」も、船での着用義務もないはずだが、注意喚起はされていたらしい。今ちょっとネットで歴史を調べてみたが、1892年のイギリスの漫画にはもう救命胴衣が見られたそうだ。

今昔変わらぬ普遍のエサ釣り

このような図鑑を度重なる本の整理のたびに生き残らせ、珍重していることが物語る通り、私にとって海釣りの原点はこうした読書を含む幼少年時の体験にある。それが今でもまだ根本的には何ら変わりを見せていないことに、嬉しささえ感じる。

昭和の図鑑から学ぶ陸っぱりのエサ釣り さぐり釣りとサビキ釣りは普遍的な楽しみ方?さぐりづりでカサゴ(提供:TSURINEWSライター井上海生)

普遍のエサ釣り。実は先日、泉南の方でさぐりづりをしてカサゴを釣ってきたばかりだ。もう一度少年期のようにひたすら楽しく魚を見てみたい。