比較的に冷凍庫に隙間が多くなるのは、夏以外の季節だ。この時期から、じわじわとスペース確保を始めて、既成事実を作ってきた。夏にいきなりすると、絶対に失敗する。
超満員の通勤電車の中でじわじわと動き、居場所の隙間を作る技と一緒だ。冬に氷を使わなくても確保したスペースは、オフシーズンも譲らない。ここで手放そうものなら台無しで、夏に高い氷を買わなくてはならなくなる。
氷は買うと高い(提供:TSURINEWSライター丸山明))
美味しい魚を釣る
そして肝心なのは、一番難しいことながら重要で、それは一生懸命においしい魚を釣ること。さらに、魚は持ち帰る前に下ごしらえをしたり、三枚おろしにしたりと、ひと手間をかけることが製氷スペースにつながる。釣れた魚をおいしく食べるには、氷で冷やし込んで持ち帰ることの重要さを日頃から話題に出すことも必要だ。でも、台風が続いたり、常にあるボーズや貧果が続くと、これはたいへんだ。魚も釣って来ないなら氷はいらないだろうとまでになってしまう。恐ろしいことだ。
おいしい魚を釣ってくることが間違いなく一番の策で、小言や文句が確実に少なくなる。この時期は、青物の寿司が食べれるようになれば、1週間単位で氷の存在は脅かされない。小言や文句は釣果に反比例する。釣れると文句は少なく、釣れないと氷の居場所がなくなる。魚が釣れないと氷も融けないクーラーは、耐えがたい重さだけで何ともわびしい。氷づくりのためにも今日の釣果は大事だから、一生懸命に釣らなければならない。
<丸山明/TSURINEWSライター>