「そんなことで?」と思うかもしれませんが、その小さな認識が積み重なって魚や魚がすむ環境について深く知ったり、食卓に並ぶ魚や魚に関する人々に感謝をするきっかけになります。元気に泳ぐ魚を見て「おいしそう……(=魚は生きている)」と思うことは、魚や環境を深く知る上で大切な感情なのです。

サカナたちはどうやって来るの?

「このおサカナたち、どこかで獲ってきたんですか?」「釣ってきたんですか?」これもよく聞かれる質問です。

簡潔に言うと、色んな方法で来ます。お客様がいうように、スタッフが自ら採集してくることもあれば、業者から購入することもありますし、漁師さんからいただいたり、他の水族館と魚をトレードしたりすることもあります。これは園館によって異なります。

水族館飼育員がよく受ける質問3選 「この魚食べられる?」は不謹慎ではない漁船(提供:PhotoAC)

定期的に漁師さんのもとへ訪れる園館は、定置網に珍しい魚がかかっているといただけることが多いので、定期的に珍しい魚が入ることが多いです。冬には希少な深海魚がかかることが多いんですよ。

また海外の園館とつながりの深い水族館はよく生き物のトレードを行います。特に海外産の魚はトレードで入手することが多いです。

その際、海外の水族館が日本から欲しい生き物として候補に挙げることが多いのが「タカアシガニ」です。

水族館飼育員がよく受ける質問3選 「この魚食べられる?」は不謹慎ではないタカアシガニ(提供:PhotoAC)

タカアシガニは日本や台湾周辺にしか生息しておらず、その大きさのインパクトも相まって海外のお客様のウケが非常にいいそうです。

日本は駿河湾をはじめ世界有数の深海をもつ国でタカアシガニもよく獲れることから、海外との生き物トレードの候補に挙がることが多いようです。

飼育が難しい生き物は何?

飼育や維持が難しい生き物もよく聞かれます。

これも園館や飼育員によって異なりますが、私の答えは「クラゲ全般」です。理由はとにかくデリケートな生き物だからです。

水族館飼育員がよく受ける質問3選 「この魚食べられる?」は不謹慎ではないミズクラゲ(提供:みのり)