「NISA」と「つみたてNISA」は運用益や譲渡益にかかる税金が非課税となる制度。1人1口座に限り、開設できるNISA口座内でどちらか一つを選択しなければならない。併用できないため、夫婦の場合はどう選択すべきなのだろうか(「NISA」を「一般NISA」と表記する)。

一般NISAとつみたてNISAの運用対象商品はどう違う?株式に直接投資したい場合は一般NISA

まず一般NISAとつみたてNISAの概要を比較しておこう。

一般NISA つみたてNISA
非課税投資枠(年間) 120万円まで 40万円まで
(積立方式)
非課税運用期間 最長5年
(ロールオーバーで最大10年)
最長20年
投資可能期間 2023年まで 2037年まで
投資対象商品 株、投資信託、ETF、REIT 投資信託、ETF
※金融庁選定の商品から選択
開設できる口座数 1人1口座(開設する金融機関は1年単位で変更可能)
資産の途中引き出し いつでも可能(ただし投資枠は復活しない)
その他 一般口座や特定口座で保有している金融商品と損益通算できない

一般NISAでは、投資対象商品を株、投資信託、ETF、REITなどから自由に選択することができる。つみたてNISAでは、手数料が低水準で頻繁に分配金が支払われないが長期・積立・分散投資に適した株式投資信託とETFに限定されている。

2018年8月現在、つみたてNISAの対象商品は約150本だ。つみたてNISAの対象商品の中に魅力を感じる商品がない場合や、株式に直接投資をしたい場合には一般NISAを選択すべきだろう。

忙しいビジネスパーソンは一般NISAではなくつみたてNISAがいい?

つみたてNISAでは、決まったタイミングでの積立方式で購入しなくてはいけない。一般NISAでは、いつでも自分の好きなタイミングで売買することができる。相場を見て柔軟に対応したい場合やボーナスで年に1~2度のみ購入したいような場合には、一般NISAを選択する必要がある。もちろん、一般NISAで毎月購入することも可能だ。

相場を見る時間がない忙しいビジネスパーソンなどには、積立方式がいいだろう。なぜなら、決まったタイミングで同額ずつ購入すると、結果として低単価で購入できるというドルコスト平均法の効果があるからだ。

一般NISAとつみたてNISAの運用期間と投資上限額は? 短期間で積み立てたいなら一般NISA

非課税で運用できる期間は、一般NISAは最長5年(ロールオーバーを利用すれば最長10年)、つみたてNISAは最長20年だ。年間の投資上限額は、一般NISAでは年間120万円、つみたてNISAでは年間40万円だ。

たとえば、数年後に購入予定の住宅のための頭金を運用したいのであれば、運用期間は10年もあれば十分だろう。生まれたばかりの子供の大学のための資金や老後資金を運用したいのであれば、10年では短い。また目標額が大きくつみたて上限額が不足する場合には、一般NISAを選択する必要がある。

夫婦で始めるならNISAとつみたてNISAをどう組み合わせる?

投資対象商品には特にこだわりがないという夫婦は、どうすればいいのだろうか。

つみたてNISAの対象商品に魅力的な商品がない場合には、一般NISAを選択すべきであることは前述の通りである。

年間の貯蓄額のうち、どのくらいの額を投資に回せるのかを試算しよう。その金額でNISAの非課税投資枠を最大限に使える組み合わせを考える。年間80万円までなら、「2人ともつみたてNISA」、年間160万円までなら「一般NISAとつみたてNISA」、年間240万円までなら「2人とも一般NISA」となる。

「2人ともつみたてNISA」であれば、長期投資・運用で資産を形成していき、老後に備えたい。もし途中で余裕資金ができれば定期預金など他の資産運用を利用する。

「一般NISAとつみたてNISA」であれば、一般NISAで株主優待や配当などの安定した利回りを目指して個別株を売買し、教育資金や住宅購入費などに回す。一方、つみたてNISAで長期投資・運用で老後資金を準備する。

「2人とも一般NISA」であれば、資産形成はかなり早くなる。商品を選ぶときに夫は「ハイリターンが狙える株」、妻は「安定を目指すためにつみたてNISAの対象商品から選択」とリスクを分散させながら使い分けられる。

一般NISAとつみたてNISAを夫婦で賢く運用して資産形成を

一般NISAとつみたてNISAのどちらを選択するかは、毎年選べる。ただし買付をする前に変更しなければならない。

たとえば最初は一般NISAを利用して住宅資金や教育資金を準備し、目標額になった時点で利益確定し、その後はつみたてNISAに変更できる。

家庭での投資可能金額から自分たちに合った組み合わせを選び、「一般NISA」「つみたてNISA」を併用してそれぞれのメリットを最大限に生かしたい。

文・佐藤美奈子(ファイナンシャル・プランナー)

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