2020年(1~12月)のチェーンストア販売額は、新型コロナ特需を受けた食品の売上増などにより、全店ベース2.6%増(12兆7千597億1千8百万円)、既存店ベース100.9%となった。全店、既存店ともに前年を上回るのは2015年以来5年ぶり。

品目別では、食品全店106.4%(8兆7千465億7千353万円)、既存店104.7%。食品の内訳は、その他食品(加工食品、酒類等)105.2%(4兆5千529億6千460万円)、既存店104%、惣菜100.6%(1兆575億8千241万円)、既存店99.8%。生鮮食品の既存店は農産107.9%、畜産108.4%、水産106.3%。

2月以降、新型コロナウイルス感染症への感染対策による外出自粛要請、緊急事態宣言によるテレワークや学校休校などの影響による内食需要増で、その他食品や生鮮3品は大幅増となったが、まとめ買いによる来店頻度の低下、夜間売上高の減少などにより惣菜は苦戦した。

食品以外では、衣料品全店85.2%、既存店83.1%、住関品全店100.8%、既存店98.9%。

コンビニ4.5%減

コンビニの売上高が20年は初の減少に転じたことが、日本フランチャイズチェーン協会のまとめで明らかになった。

全店ベースの年間売上高は前年比4.5%減(10兆6千608億円)。減少は統計の確認できる05年以降で初めて。既存店ベースでも4.7%減(10兆1千580億円)と、3年ぶりのマイナスで着地した。

昨年は新型コロナの感染拡大に伴う外出自粛やテレワークの定着に伴い、都心部や観光地の店舗を中心に客足が遠のき、客数は10.2%減(既存店10.4%減)と二ケタの減少。

一方で住宅立地などではスーパーから近所のコンビニへと買い物の軸足を移す消費者も増えたことで、客単価は6.4%増(既存店も同)と堅調に推移した。生鮮食品、惣菜、マスクなど衛生用品の売上げが好調だったほか、冷凍食品、酒類などのまとめ買いやGo Toキャンペーンの効果も寄与した。

百貨店 45年前の水準に激減

昨年の百貨店売上高は、既存店ベースで25.7%減の4兆2千204億円と、45年ぶりの低水準で着地したことが日本百貨店協会の調査で分かった。3年連続のマイナス。1.4%減だった19年と比較しても大幅な落ち込みを記録した。

昨年の緊急事態宣言後には多くの店舗が営業の休止や縮小を余儀なくされたことで、4月の売上高は75%減、5月も65%減となるなど未曾有の売上減少に見舞われた。その後も外出自粛やテレワークの定着などから二ケタ減で推移。入国規制による訪日客激減で、インバウンド売上高が年間で80.2%減(686億円)となったことも影響した。

食品以外では、衣料品全店85.2%、既存店83.1%、住関品全店100.8%、既存店98.9%。

提供元・食品新聞

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