海辺の物件を探していたK夫妻が一目惚れしたのが、国府津の傾斜地に建つ平屋の家。駅から徒歩5分という立地にありながら、小さな山を背負い、裏庭からは海が見える。築12年の家そのものは木の質感が心地よく、内見をしたその日に購入を決めた。
山と海とバイクと。国府津だから叶った理想の暮らし
以前、横浜のタワーマンションに暮らしていた時は、散歩をするのにわざわざ鎌倉まで足を伸ばしていたという夫妻。その後江の島の近くに家を借りて海辺の暮らしを楽しむものの、夏は若者たちで賑やか。もう少し静かな場所をと湯河原あたりまで視野に入れたが、辿り着いたのは海と山が両方あって、都内への通勤も無理がない国府津だった。
「毎日1時間ほど山歩きをしながら、湘南の海を眺めています。朝や夕方、刻々と変わる空や海は本当にきれいですよ」
毎日1 時間の山歩きの際は美しい表情を見せてくれる。
高校生の頃からカワサキの400㏄に乗っていたというバイク好きのMさんにとって、箱根ターンパイクが目と鼻の先というのも理想的。愛車と6台のバイクが収まる広いガレージがあるのも購入の決め手だった。現在、ガレージには2006年式のジープと、ハーレー、BMW、ドゥカティ、ヤマハSRといったそうそうたるバイクが並び、日々手入れやカスタムをしては“箱根までちょい乗り”するという、憧れのオートバイライフを満喫している。
この家はもともと間取りがユニークで、窓がはめ込み式だったり網戸が収納できたりと、視界の広がりを大切に設計されていた。その良さを生かし、庭造りも含めてリノベーションを任せられると、Yさんが直感で選んだのが茅ヶ崎の「ディーパラダイス」だった。
ディーパラダイスの担当の稲沢さんと談話する夫妻。
「犬2匹、猫3匹と暮らす私たちの生活スタイルに合わせて、細部まで素敵に仕上げてくれました。朝、目が覚めると、ダイニングの窓越しに裏庭が見えるんです。視界の中に猫ステップで寝ているモッケ(ボス猫)がいて、幸せを感じます」
リノベーションではキッチン周りの間取りを大きく変え、家全体に光が届くようにした。寝室のクローゼットやキッチン収納など、要所要所にジャストサイズの棚を造作。玄関とLDKを繋ぐ壁を寄木細工のようなニュアンスのあるものに変えると、よりオリジナリティが加わった。猫が入ると自動的に電気がつく専用トイレなど、かわいい相棒のための工夫もたくさん。
そしてなんといっても、裏庭に作った展望デッキならぬ「海を眺めるテラス」が秀逸だ。さくらんぼ、なし、りんご、柿など既存の果物の木を生かし、階段がテラスへと誘う。「とにかくここでビールを飲みたいとオーダーしました」とMさん。「ゆくゆくは屋根付きの小屋にして、屋根の上で一杯やりたいですね」
傾斜地に建つ一軒家で、背後には小さな山が。いまはバイクが多いが、18 歳でシトロエンに乗ってからというもの、名だたる名車を40 台も乗り継いできたという大のクルマ好き。レースで優勝した経験もあり、ガレージの奥の棚にはトロフィーが並ぶ。
敷地面積110 坪の広さに、平屋の佇まいがいい。よく手入れされた庭が迎えてくれるが、主役は裏庭!
背後の山に繋がる傾斜地を利用して造った裏庭。前オーナーが植えた果樹を生かし、ソテツなどシンボリックな木を加えてリゾートのような雰囲気に。
国府津の海が見渡せる場所に作った特等席は、リゾートホテルのプライベートテラスさながら。