コロナ禍、接触回避でキャッシュレス支持率UP

他にも、コロナ禍での買い物行動の変化においては、人との接触やレジ周りの混雑回避をするために、キャッシュレス決済を利用する人が増えたことも挙げられます。次からは、決済方法に着目して分析しました。
 

MD NEXT
(写真=MD NEXTより引用)

ドラッグストアにおける決済種別をみると、4月以降、現金で決済する人は、<4月:31.7%→6月:28.4%>に減少し6月以降3割を切っています。クレジット決済は、16%前後でほぼ横ばいとなりましたが、「d払い<4月:4.6%→6月:11.5%>」、「LINEPay<4月:2.2%→6月:3.9%>」、「auPay4月:2.3%→6月:5.2%」などが増加していました。

購買コメントをみると、新型コロナ感染拡大前(今年2月以前)は、「LINEで15%OFFクーポン券でいつも買っているオロナミンCを買った(70代男性、サンドラッグ)」、「dポイント20倍キャンペーンやメルペイ半額還元キャンペーンをやっていたので、マツモトキヨシに来店(20代男性、マツモトキヨシ)」、「au PAYの還元があり、ストック用にトップバリュ バーリアル 糖質50%オフを購入(50代女性ウエルシア)」など、感染予防の観点だけではなく、LINEクーポンやスマホQRコード(バーコード)決済提供サービス会社によるポイント還元や割引などが、ドラッグストアのキャッシュレス決済浸透を促進し、消費者の来店・購買喚起につながったことがうかがえます。

また、ドラッグストアで多彩な決済方法が選べるため、消費者の利便性が高く、今後お得なキャンペーンやポイント還元があるキャッシュレス決済を利用できるかが、消費者が利用するチェーンを選ぶ上での判断材料となり得る可能性もあります。

そうなった場合、現金以外のキャッシュレス決済方法が、クレジットカードや流通系電子決済が多くを占めるスーパーよりもドラッグストアのほうに優位性があると言えるのではないでしょうか。(図表5-2参照)
 

MD NEXT
(写真=MD NEXTより引用)

今や7.5兆円の市場規模となったドラッグスストアが、さらに成長するための次の一手に期待したいと思います。

文・石井麻美/提供元・MD NEXT

【関連記事】
「ラインロビング」への貪欲な挑戦がドラッグストアの強さである
セブン-イレブンが1日3便体制から2便体制へ変更する理由とは?
スシロー、コロナ時代のサービスは「非接触」で完結する
利益の設計図「相乗積」で読み解く小売業の経営方針
散布図を作成して複数の数値の「相関関係」を突き止める