ETCカードを発行できる、お得なクレジットカードはどれなのか?年会費や還元率などをもとに、選び方やおすすめクレジットカードの特徴を紹介!高速道路など有料道路をよく使う人は、カードを切り替えたりETC用のサブカードを持ったりするだけでも、日々のお得度がぐっとアップするはずだ。

目次
1,ETCカードで有料道路がお得になる
2,ETCカード発行に向いたクレジットカードの選び方
3,ETC発行におすすめクレジットカード5選
3-1,dカード
3-2,Orico Card THE POINT
3-3,イオン首都高カード
3-4,REX CARD
3-5,エポスカード
4,ETCカードの利用でよりメリットを得るには――サブカードとしてもおすすめ

1,ETCカードで有料道路がお得になる

ETCカードを発行できるお得なクレジットカードを紹介する前に、まずはETCカードとはどういうもので、何がお得なのかということから押さえていこう。

ETCカードとは?有料道路利用でクレジット利用ポイントも貯まる

ETCカード(ETCスルーカード)とは、有料道路の料金所をキャッシュレスでスムーズに通過するための、ETC専用のICカードのことだ。基本的にクレジットカードに紐づけて通行料金を決済するので、クレジット利用ポイントが貯まることになる(ETC利用分にポイントが付与されないカードもある)。

ETCカードを挿入する車載器が必要なので、その購入代金(5,000円台~3万円台)が初期費用として必要になる。しかし長い目で見ればお得になるケースがほとんどなので、有料道路を普段よく利用しているなら導入するべきだろう。

ETCマイレージサービスでお得!クレジット利用ポイントと2重取りができる

ETCカードには登録料・年会費などがかからないマイレージサービスがあり、利用額に応じてポイントが貯まるため、クレジット利用ポイントとの2重取りができる。ポイントは各地の道路事業者ごとに貯まり、NEXCO東日本・中日本・西日本、宮城県道路公社のポイントは合算される。

ポイントの貯まり方は、道路事業者によって異なる。詳細は以下のとおりだ。

道路事業者 ポイントの付き方
NEXCO東/中/西日本・
宮城県道路公社
10円につき
1ポイント
本州四国連絡
高速道路株式会社
名古屋高速道路公社※ 100円につき
1ポイント
愛知県道路公社※
広島高速道路公社※
福岡北九州高速道路公社※
神戸市道路公社※ 50円につき
3ポイント
※月間利用額に応じて、さらにポイントが加算される。

貯まったポイントは「還元額」に交換すると、有料道路の通行料金に充てることができる。ポイントは各地の道路事業者ごとに貯まり、有効期限も最長1年と短いが、還元額は基本的にどの道路事業者でも使え、有効期限はない。

ETC割引サービスで有料道路の料金が安くなる

一部の有料道路ではETCの利用によって通行料金の割引が適用され、さらにお得に利用できる。各割引の内容は、以下のとおりだ。

サービス名 割引内容
ETC 平日朝夕割引 平日朝夕の一定時間内での地方高速の利用回数に応じて
30%あるいは50%の「還元額」が付与される
ETC 休日割引 普通車・軽自動車等限定で地方高速が30%オフ
ETC 深夜割引 NEXCO東/中/西日本(NEXCO3社)が管理する全国の
高速道路および宮城県道路公社の仙台松島道路において、
すべての車種を対象に毎日午前0時~午前4時の利用が30%オフ
ETC2.0割引 圏央道、新湘南バイパスをETC2.0(比較的新しい規格)車で
利用すると所定の割引が適用される
ETC
アクアライン割引
東京湾アクアラインで大幅な割引が適用される
(例:軽自動車2,510円→640円)
ETC
外環道迂回
利用割引
東京外環道を迂回利用した場合に東京外環道
(一部では首都高速道路も)の通行料金に割引が適用される
関越特別区間
(水上~湯沢間)
ETC料金割引
ETC利用により関越特別区間(水上~湯沢間)の
料金を引き下げ(令和6年3月31日まで)

2,ETCカード発行に向くクレジットカードの3つの特徴と選び方

このように高速道路などを割引料金で利用でき、ポイント還元も受けられるETCカードだが、多くのクレジットカードでは、支払いをそのクレジットカードに紐付けたETCカードを発行することができる。

ETCカードの取得を目的とする場合は、どのような特徴を持つクレジットカードが向いているのだろうか。整理してみよう。

特徴1,クレジットカードの年会費が無料

ETCカードで有料道路をお得に利用することを重視するなら、クレジットカードは年会費無料のものを選びたい。車載器の購入代金は確実にかかるので、それ以外の初期費用はなるべく抑えたいところだ。

特徴2,ETCカードの「発行手数料」と「年会費」が無料

初期費用を抑えるという意味で、ETCカードの発行手数料・年会費もやはり無料がいい。「年会費無料」を謳っていても、よく見ると発行手数料がかかるものがあるので注意したい。

特徴3,ポイント還元率が高くETC利用にもポイントが付与される

日常的に有料道路を使うのであれば、ETC利用分にポイントが付与されるかどうかは必ず確認しておきたい。また通行料金は日々の固定費のようなものなので、通常のポイント還元率はなるべく高いほうがいい。ETC利用分に対するポイント付与率が通常より高いものなら、一層お得に利用できる。

3,ETC発行におすすめのクレジットカード5選――dカード、Orico Card THE POINT、エポスカードなど

ここからは、紹介した3つの特徴を持つクレジットカードを5つ紹介しよう。

3-1,dカード――ETC利用分も1%還元、ENEOSで還元率+0.5%に

ドコモが発行する「dカード」は、年会費無料。ETCカードの年会費は初年度無料で、2年目以降も前年度に一度でもETC利用分の請求があれば無料になるので、実質無料と考えていいだろう。

ポイント還元率は1%と高く、ETCの利用分にも付与される。クレジットを利用するたびにポイントが付与されるタイプだが、100円(税込)の利用ごとに付与されるため、ETCの利用金額が少額でも取りこぼしが少ない。

カードに搭載されている後払い式電子マネー「iD」の利用分にもポイントが付与されるので、有料道路の利用以外の少額決済でもポイントを貯めやすい。さらに、街中のdポイント加盟店やdカード特約店では、カード利用ポイントとは別にポイントが加算される。車関係ではENEOSで0.5%分加算、オリックスレンタカーで3%分が加算される。

通常のポイント還元率が高いので、ETCカードを普通に使っているだけでも十分な還元を受けられるが、dポイント加盟店やdカード特約店を上手に利用すれば、さらに多くのポイントを獲得できるだろう。

【基本スペック】

国際ブランド VISA
Mastercard
年会費 無料
ETCカード年会費など 実質無料
※年会費初年度無料
※2年目以降も前年度に1回以上
ETC利用分の請求があれば無料
ポイントサービス dポイント
通常ポイント還元率 1%
※ETCカード利用分にも同率付与
ポイント交換対象 JALマイル
Pontaポイント など

3-2,Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)――通常1%還元、入会後6ヵ月間はETC利用も含めて2%還元に

「Orico Card THE POINT」はカード年会費、ETCカード年会費ともに無料。ETCカード利用分にも、通常のクレジット利用ポイントと同様に、100円につき1ポイントが付与される。入会後6ヵ月間はポイント還元率が2%になり、ETCカード利用分にも適用される。また、カードには後払い式電子マネーの「iD」と「QUICPay」の機能が搭載されている。その利用分にもポイントが付与されるので、ドライブでの少額決済でも重宝するはずだ。

ポイントサイト「オリコモール」経由のネットショッピングでもポイントが貯まりやすいので、有料道路をよく利用し、かつネットショッピングもよく利用する人におすすめだ。

【基本スペック】

国際ブランド Mastercard
JCB
年会費 無料
ETCカード年会費など 無料
ポイントサービス オリコポイント
通常ポイント還元率 1% ※ETCカード利用分にも同率で付与される
ポイント交換対象 Amazonギフト券
dポイント
JAL/ANAマイル など

3-3,イオン首都高カード――日曜日の首都高料金が20%オフに

「イオン首都高カード」はカード年会費、ETCカード年会費ともに無料で、ETC利用分にもポイントが付与される。

特徴は、ETCカードに「ETCゲート 車両損傷お見舞金制度」があることだ。これは、有料道路の開閉バーに接触する事故を起こした場合、年1回まで一律5万円のお見舞金が支払われる制度だ。

通常のポイント還元率は0.5%と高いほうではないが、毎週日曜日の首都高通行料金が20%オフになるため、首都高利用者にはメリットがあるだろう。

その他、以下のような車・ドライブ関係の特典が提供される。

  • 首都高PAでのクレジット利用でポイント5倍(還元率2.5%)
  • 時間貸駐車場「タイムズ」でクレジット利用ポイントとタイムズのポイントの2重取りができる
  • レンタカーやロードサービスの優待

イオンカードではこれと似たカードとして、NEXCO東日本エリアでお得な「イオンE-NEXCO pass カード」、NEXCO中日本エリアでお得な「イオンNEXCO中日本カード」、阪神高速道路でお得な「イオンTHRU WAYカード」、NEXCO西日本エリアでお得な「イオンNEXCO西日本カード」も発行している。

【基本スペック】

国際ブランド VISA
Mastercard
JCB
年会費 無料
ETCカード年会費など 無料
ポイントサービス ときめきポイント
通常ポイント還元率 0.5% ※ETCカード利用分にも同率で付与される
ポイント交換対象 WAONポイント
dポイント
JALマイル など

3-4,REX CARD――最高水準の高還元率がETC利用料金にも適用される

「REX CARD」はカード年会費、ETCカード年会費ともに無料で、ETC利用分にもポイントが付与される。ポイント還元率は1.25%とクレジットカードの通常還元率としては最高水準であり、ショッピングでもETC利用でも効率良くポイントを貯められる。

その高還元率に加え、「J’sコンシェル」という優待サービスにより、全国17万件以上の多種多様な店舗で優待を受けられる。ドライブの立ち寄り先でもお得に利用できそうだ。

【基本スペック】

国際ブランド VISA
Mastercard
年会費 無料
ETCカード年会費など 無料
ポイントサービス REX POINT
通常ポイント還元率 1.25% ※ETCカード利用分にも同率で付与される
ポイント交換対象 Jデポ(キャッシュバック)
ANAマイル
積立投資の原資

3-5,エポスカード――年会費無料のゴールドにアップグレードでETC利用ポイント3倍を狙う

「エポスカード」はカード年会費、ETCカード年会費ともに無料で、ETC利用分にもポイントが付与される。ポイント還元率は通常0.5%と高くはないが、実はこれをポイントアップする方法がある。

「エポスカード」には上位ランクに「エポスゴールドカード」があり、年会費は5,000円(税込)。しかし「エポスカード」を一定金額かつ一定期間利用しているとゴールドへのインビテーション(招待)が届き、その場合は年会費永年無料で「エポスゴールドカード」に入会できる。あるいは、初年度のみ年会費を払って年間50万円以上カードを利用しても、2年目以降は永年無料になる。

「エポスゴールドカード」には「選べるポイントアップショップ」という仕組みが用意されていて、よく利用するショップを3つ選んで登録することができる。その3店舗では。ポイントが3倍(還元率1.5%)になる。この「選べるポイントアップショップ」では、ETC利用も選択できる。

長い目で見れば、初年度に年会費5,000円(税込)を支払ってでも「エポスゴールドカード」を入手したほうが、ETC利用がよりお得になる。車載器以外の初期費用を一切かけたくない場合は、まず「エポスカード」を取得して、ゴールドへのインビテーションを待つという手もある。

【基本スペック】

国際ブランド VISA
年会費 無料
ETCカード年会費など 無料
ポイントサービス エポスポイント
通常ポイント還元率 0.5% ※ETCカード利用分にも同率で付与される
ポイント交換対象 マルイの商品券
クオ・カード など

4,ETCカード利用でよりメリットを得るにはサブカードも

ETCカードをよく利用が多いうる人は、年会費とポイント還元率、割引サービスなどを意識することで、大きなメリットを得ることができるだろう。

いずれもカードの年会費やETCカードの年会費が無料(あるいは実質無料)なので、特典や優待が充実した年会費有料のクレジットカードをメインカードとして使い、ここで紹介したカードをETC利用に特化したサブカードとして使う、という使い分けも検討してもらいたい。

 
執筆・モリソウイチロウ(ライター)

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。  

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