新型コロナウイルス感染症の拡大により世界中が大きな課題に直面し、あらゆる業界で変革が求められている。その最前線において、消費者ニーズを把握し、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験・価値)を重視した新しい施策を打ち出すのがマーケターの役割だ。

これまでのマーケティング手法で行ってきたアプローチを見直し、AI(人工知能)やテクノロジーを活用して、ニューノーマル時代に合わせた改革を進めなければならないだろう。

急激な時代の変化を乗り切るために必要なテクノロジーや、戦略的変革における最優先事項など、企業成長にとって重要なマーケティングの最新事情を解説する。

マーケターが取り組むべき最優先課題とは?

出典元:第6版『マーケティング最新事情』により、変化を乗り切るためのトレンドが明らかに(写真=MarkeTRUNKより引用)

新型コロナウイルスの世界的大流行により、企業マーケティングにも大きな変革が求められている。

上図のように、世界各国のマーケティングリーダーに行った最新事情の調査結果によると、最も優先して取り組むべき施策には「イノベーション」が選ばれた。

AIなどのデジタル変革を行い、変化の激しい消費者ニーズを正確に把握し、収集したデータからインサイトを確実につかんでいく。これからのマーケティング施策において、テクノロジーは不可欠だといえるだろう。

また、マーケターが取り組むべきと認識している課題の2番目には、「リアルタイムの顧客エンゲージメント」が挙がっている。企業マーケティングに対する消費者の期待値は上昇傾向にあり、カスタマーエクスペリエンスに関する別の調査でも、80%以上の消費者が、「商品やサービスと同じぐらい、カスタマーエクスペリエンスは重要だ」と答えているようだ。

さまざまなデジタル施策を通じて消費者とリアルタイムでつながり、カスタマーエンゲージメントの成功を目指す必要があるだろう。

80%以上のマーケターがAIを活用

出典元:第6版『マーケティング最新事情』により、変化を乗り切るためのトレンドが明らかに(写真=MarkeTRUNKより引用)

マーケターにとって欠かせないAIデータの活用。その数値は2018年から約30%増加し、2020年にはマーケターの80%以上が活用していることがわかった。

管理しているマーケティングツールの平均は6つで、2年前よりも3つ増えている状況だ。 世界のトレンドでも、「今後もマーケターのデータ活用数は増え続ける」と予測されている。

B2Bマーケティングの鍵となるのは?

B2Bにおいても、一般顧客と同様の「エンゲージメント」や「共感性」を重視する傾向にある。

調査によると、マーケターの90%以上が、ABM(アカウントベースドマーケティング)プログラムを活用し、それぞれの顧客課題に取り組んでいる。

ABMとは、自社の営業社員やデジタルデータ、AIによって定義したターゲット顧客に、徹底した分析とアプローチを行っていく戦略だ。

ABMを有効に活用すれば既存顧客のロイヤリティーを高めることができ、LTV(顧客生涯価値)向上にも期待が持てるだろう。

まとめ

消費者ニーズの多様化に加え、ニューノーマル時代の激的な社会変化に対応するためには、デジタル改革が急務である。「最新のテクノロジーを活用したマーケティング」と「リアルタイムのカスタマーエンゲージメント」獲得が、ビジネス成長の鍵を握っているといえるだろう。

参照元:第6版『マーケティング最新事情』により、変化を乗り切るためのトレンドが明らかに

提供元・MarkeTRUNK

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