警視庁警備部災害対策課が2日に投稿した、「氷砂糖には賞味期限がないのをご存知ですか」といった内容のツイートが話題を呼んでいる。しらべぇ取材班は、この「氷砂糖の秘密」をメーカーに直撃した。
■氷砂糖は半永久的に食べられる
その投稿は「開封後でも高温多湿を避け密閉して保存すれば、半永久的に食べられるそうです。また甘い物を食べると落ち着く方も多いと思いますが、氷砂糖にも疲労回復やリラックス効果があるとのこと」といった内容。
これに対して、「災害時はメンタルがやられるので甘いもの食べたくなります」などといった反応も出ている。そもそも、なぜ非常食に氷砂糖が入っているのだろうか。
■氷砂糖には唾液の分泌を促す効果が
業界大手の中日本氷糖株式会社によると、氷砂糖は上白糖(じょうはくとう)やグラニュー糖と原料は同じだが、いろいろな砂糖の中でも一番純度(ショ糖分)が高い砂糖だという。
また、氷砂糖は唾液の分泌を促してくれるため、飲料水がないときでも、パサパサして食べづらいカンパンを食べやすくしてくれる。
■メリットを生かした備蓄用も
そのため、大規模災害に備えるための備蓄氷糖も販売されている。一般に市販されている砂糖類の約60%は海外から輸入される原料を使用しているが、アルミパックの備蓄氷糖の原料は、国産原料を100%使用している(農林水産省推薦原料)。
また、氷砂糖を普通になめても全く問題はない。飴がない時代には、氷砂糖をなめていた人が多くいたそうだ。
■氷砂糖の秘密
氷砂糖の約70%は果実酒に使用されており、その中でも梅関連が一番多い。普通の砂糖を果実酒に使うと溶けずに下に沈殿してしまうが、氷砂糖は完全に溶けるメリットがある。
氷砂糖は何度も結晶を繰り返しているため、砂糖より粒子が圧倒的に大きい。そのため、粒子の間に水分が入り込み、溶けやすくなるという特徴があるのだ。
さらに氷砂糖は、食材本来の味を引き出す「隠し味的な役割」もする。老舗和菓子店などでは、あんこに砂糖ではなく氷砂糖を使い、あんこの味を引き立たせる技を使っているそうだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・おのっち)
提供元・しらべぇ
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