イオンは5日、新しい買い物体験ができる未来型ディスカウントストア「パレッテ高座渋谷店」(神奈川県大和市)をオープンした。

店内は約2000品(SKU)をNB商品と開発商品(以下、オリジナル商品)で品揃え。イオンのPBトップバリュは基本的には置かないのが売場の最大の特徴だ。

さらに店舗運営の省人化については、パレット納品パレット陳列で、発注は専用センターでPOS実績を基に行う。利用者の決済も「Scan&Go」のアプリを利用してスマホ決済ができる。

コロナ禍の環境でも、非接触で安全に買い物ができ、レジに並ぶ時間が短縮されるなど店舗にとっても利用者にとっても利便性が高い。

また、オリジナル商品はデジマークが入っており、バーコード以外でも簡単に携帯で画像認証できる工夫もされている。

厳選されたNB商品を低価格で、オリジナル商品は通販ルートでも人気の高い樹上完熟珈琲粉を税抜き398円で販売するなど付加価値性の高い商品をリーズナブルなプライスゾーンで展開している。

現在はNB商品の露出が目立つが、今後オリジナル商品のウエートを高めていくと思われる。

菓子売場もNB商品とオリジナル商品の組み合わせで構成される。

オリジナル商品では、湖池屋と開発したポテトチップスや素材菓子などがあったが、売場を見る限りNBの割合が他のカテゴリーより多く見える。

菓子メーカーはブランド強化に注力して商品育成を行ってきたため、消費者のブランドに対する安心感が強い。ブランド力を越えるような新しい価値創造が、パレッテの売場から生まれるか注目されるところ。

高品質なものを安価で販売し、消費者の認知度を高めればオリジナル商品を求める人が増える。ただ、現在は販促やPOPなど通常の小売の訴求方法はしておらず、店内モニターで訴求する程度。NB商品との区別が明確ではない。

今後はオリジナル商品の価値をいかに消費者に伝えるかが成功のカギになりそうだ。

提供元・食品新聞

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