味の素社は、このほどプラントベースドミート(植物由来の代替肉、以下PBM)の普及を目指すため、PBM原料の大豆由来の植物肉原料の開発・製造・販売を行うDAIZ社(本社・熊本県熊本市、井出剛社長)に資本参加した。投資額は約1億円。

DAIZ社は「栄養価値の高い植物肉」を開発したスタートアップ企業で、発芽丸大豆を使った独自の素材に、味の素社の「おいしさ設計技術」を活用してソリューション提案を行い、さらなる市場拡大とPBMの普及を目指す。

味の素によれば「家畜の飼育によって生じる環境負荷問題が世界的に顕在化していることに加え、世界的な人口増大に伴い、2030年には食肉を主とするたんぱく質源の供給不足に陥る可能性が示唆される中で、食肉の代替として植物由来のタンパク源への注目が高まっている」とし、「欧米を中心にSDGs(持続可能な開発目標)を背景とした環境保護の意識が醸成されており、PBM市場が急拡大している」という。

日本国内においても食品メーカーによってPBM製品の開発・発売が進み、複数の企業が市場に新規参入している。大豆を主原料とする製品が大多数を占めており、今後も市場拡大を見込んでいる。

特にコロナ禍では、20代を中心にサスティナブル志向や環境志向・自然派志向が根強く、こうした層に代替肉が好まれている。メーカー各社は、肉のようなおいしさとブランド力を育成しながら、小売および飲食店での両輪展開により売上げを伸ばそうとする動きが目立っている。大手外食チェーンでも大豆由来の代替肉を使って新メニューを投入する動きが相次いでおり、ハンバーガーやパスタなど多彩なメニューで消費を刺激している。

提供元・食品新聞

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