平安神宮は、平安遷都1100年を記念して、かつての平安京を再現した神社です。
観光の中心となる京都駅から、バスで20分ほどの岡崎にあります。
平安遷都を行った桓武天皇を祭神とした神社は、平安時代の豪華絢爛な建築を8分の5サイズで再現しているそうです。
重要文化財にも指定されている「大極殿」をはじめ、境内には100年以上の歴史を持つ貴重な建築が沢山あります。
国の名勝に指定されている神苑は、四季折々の景色を見せてくれる景勝地として有名です。
今回は取材を元に平安神宮の見どころを掘り下げてご紹介します。
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【目次】平安神宮を徹底取材!平安京を思わせる建築に優美な日本庭園を鑑賞しよう
2. 美しい建築に境内の見どころ「平安京を再現した建築・境内」
平安神宮ってこんなところ
観光スポットとして有名な京都駅周辺は、平安時代から明治時代まで、天皇の皇居が置かれた政治の中心地です。
平安京と呼ばれていた平安時代には、政治だけでなく街並みや交通まで整備された都として栄えていました。
そんな平安京の建築を、当時の姿とスケール感を残したまま再現したのが平安神宮です。
華やかだった平安京の姿を現在にも伝える平安神宮は、明治維新の後、首都機能を失った京都を活気づけました。
京都のほぼ中心部を守護している平安神宮は、京都を守る「四神相応の地」としても知られます。
秋には京都の三大祭りの一つである時代祭も行われ、観光スポットとしても人気の神社です。
境内には重要文化財に指定されている建築、国指定の名勝、神苑など多数の見どころがあります。
広大な敷地でスケール感ある建築や庭園といった、京都の景色を楽しめる平安神宮を観光してみましょう。
平安神宮の歴史
平安神宮は、1895年に平安遷都1100年の記念し、都で開催された内国勧業博覧会の目玉として建設が計画された神社です。
結果的に予定地とは離れた京都の岡崎に、平安時代の8分の5スケールで再現されました。
当初は、平安京遷都を行った桓武天皇を祀る神社として創設、その後、1940年に平安京で過ごした最後の天皇である孝明天皇も祭神として迎えられます。
1976年には平安神宮放火事件が起こり、本殿や内拝殿といった9棟の建物が焼失しました。
その際は、創設から日が浅く、文化財指定を受けていなかったため、再建にかかる費用集めが困難を極めたそうです。
全国からの募金によって、3年後にはほぼすべての建物が再建され、現在にもその姿を残しています。
平安京の大内裏の正庁である朝堂院を再現した社殿は、伊東忠太、 木子清敬、佐々木岩次郎といった有名な建築家たちによって設計されたもの。
2010年には、大極殿を含む6棟の建築が重要文化財に指定されています。
平安神宮へのアクセス
平安神宮は、京都市左京区の岡崎にあります。
周辺は緑豊かな岡崎公園、国立近代美術館や動物園といった観光スポットにも恵まれている場所です。
アクセスの際は、電車やバスといった公共交通機関を利用すると良いでしょう。
JR、地下鉄、京阪京阪電車など、それぞれの駅から30分以内でアクセスできます。
市バスを利用する際は、平安神宮の他にも観光スポットを巡る予定があるならフリーパスを利用するのがおすすめです。
電車の場合
- 京都地下鉄東西線「東山駅」から徒歩10分
- 京阪鴨東線「三条駅」「神宮丸太町駅」から徒歩15分
阪急「河原町駅」から徒歩20分
バスの場合
- JR「京都駅」から:市バス5系統、洛バス100号・110号系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車、北へ徒歩5分
- 阪急「河原町駅」から:市バス5系統、46系統、32系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」、「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車、北徒歩5分
祇園・清水寺方面から:市バス201系統、203系統、206系統、「東山二条・岡崎公園口」下車、東へ徒歩5分、洛バス100号系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車、北へ徒歩5分
駐車場について
平安神宮には、専用の駐車場が完備されていません。
車を使ってアクセスする場合は、平安神宮まで徒歩3分の「岡崎公園駐車場」、「みやこめっせ京都市勧業館駐車場」といった有料駐車場を利用しましょう。
長期休暇や土日祝日には混雑することもあるため、平安神宮からはタクシー、公共交通機関の利用がおすすめです。
- 「岡崎公園駐車場」の料金:最初の1時間まで500円、以降30分毎に200円、平日は上限が1,300円(23:00~翌7:30は1泊700円)
「みやこめっせ京都市勧業館駐車場」の料金:最初の1時間500円、以降30分毎に200円(日祝料金あり)、平日は上限1,500円(23:00~翌7:30は1泊2,000円)
平安神宮の観光情報
住所 : 京都市左京区岡崎西天王町97
電話番号 : 075-761-0221
定休日 : 年中無休
営業時間 :
【境内】6:00~18:00(3月15~9月30日)、6:00~17:00(11月~2月14日)、6:00~17:30(2/15~3/14・10月)
【神苑】8:30~17:00(3月1日~3月14日、10月1日~10月31日)、8:30~17:30(3月15日~9月30日)、8:30~16:30(11月1日~2月末日)
料金 : 【神苑】大人600円、小人300円、障がい者は規定料金の半額
平安神宮は、平安京をそのまま再現したかのような建築がある境内、1万坪にも及ぶ敷地面積の神苑、といった見どころのある観光スポットです。
境内、神苑共に拝観時間が若干ずれ、季節によって前後する点に注意しましょう。
境内には6時から入れるため、朝から京都の街を観光したい方にもピッタリです。
境内は小さな石が敷き詰められている場所が多く、神苑は土の上を歩く場所もあるため、歩きやすい靴を履いていくと良いでしょう。
神苑を散策する場合は、本殿を正面に見て左手にある入り口でチケットを購入できます。
平安神宮の見どころを紹介
重要文化財にも指定されている「大極殿」をはじめ、平安京にあった平安京の正庁、朝堂院を模した建築は鮮やかな見た目で観光客を楽しませてくれます。
神苑、建築、境内の見どころを実際に足を運んだ筆者がご紹介します。
1. 境内にたどり着くまでの楽しみ「大鳥居・応天門」
市バスに乗って平安神宮に向かう場合、境内の南側、徒歩5分程の「岡崎公園 美術館・平安神宮前」で降ります。
その際に訪れた人を出迎えてくれるのが、岡崎のシンボルにもなっている朱塗りの大鳥居です。
街中にそびえ立つ大鳥居は、昭和天皇大礼を記念して建てられました。
京都府技師の阪谷良之進によって設計された鳥居は、鉄筋コンクリート及び鉄骨造です。
高さ24m、幅は18mある鳥居は、建設当初、建設当初は国内最大の大きさを誇っていました。
登録有形文化財にも指定されている街のシンボルを通って、平安神宮に向かいましょう。
平安神宮に向かう参道途中にある、緑豊かな公園が丘崎公園です。
参道にもなっている岡崎公園では、毎週第第2土曜日に「平安楽市」と呼ばれる、手作り作品を販売する市場が開かれます。
道路の左右に何十店ものお店が立ち並ぶ、活気ある市場で買い物を楽しみましょう。
市場が開催される大通りの脇には、木陰のベンチがあり休憩できます。
近くには動物園もあり、小さな子供連れの観光にもピッタリです。
平安京朝堂院の正門、應天門(おうてんもん)を元にして作られたのが、境内の入り口にある応天門です。
碧瓦葺(みどりがわらぶき)の屋根、2階層の楼門という應天門の特徴を8分の5スケールで再現しています。
朱色に塗られた鮮やかな門は、国の重要文化財にも指定されている安神宮の神門です。
18.43mもの高さを誇る門は、訪れた観光客を圧倒する迫力です。
平安京の應天門に掲げられていた「應天門」の文字が書かれた額は、弘法大師によるものでした。
その際、「應」の字の点を書き忘れ、あとから筆を投げつけて点を足したという逸話から、「弘法も筆のあやまり」という言葉が生まれたという説もあります。
2. 美しい建築に境内の見どころ「平安京を再現した建築・境内」
平安神宮の外拝殿にあたる「大極殿(だいごくでん)」は、平安遷都1100年を記念して、桓武天皇を祀る本殿と合わせて建てられた建築です。
平安京の大極殿を模した外拝殿は、古代建築と京都の建築技術を引き合わせて造られ、意匠的価値のある建物だと認められています。
大極殿の特徴の一つ、碧瓦を屋根には使用、屋根の左右には金色の鴟尾(とびのお)が使用されています。
平安京時には、天皇の即位礼をはじめ、重要な行事が行われていた大極殿は、現在は平安神宮の拝殿として多くの参拝者を迎えています。
京都の建築的事業を伝える建物として、歴史的にも貴重な建物は重要文化財にも指定されています。
「右近の桜・左近の橘」は、平安神宮の外拝殿、前庭に植えられている木です。
筆者が訪れた6月は新緑の時期でしたが、それぞれ見頃の季節には鮮やかな姿を見せてくれます。
外拝殿の手前にある階段は「龍尾壇(りゅうだん)」と呼ばれ、その昔は、位の高い方のみ上ることを許されたそうです。
外拝殿と同じく、平安京朝堂院の様式を模して造られた重要文化財が「蒼龍楼」です。
四方に傾斜のある「四方流れ」の屋根、二重五棟の入母屋造となっています。
蒼龍楼の蒼龍は、京都の街の東を守ると言われる青龍から来ているそうです。
緑色の屋根瓦、朱塗りの外観、塔のように空に向かって建てられらた屋根に思わず目を奪われます。
春には蒼龍楼の裏手にある桜の木が色付くため、写真撮影スポットとしても良いでしょう。
蒼龍楼と対になるように、境内の西側に建てられているのが「白虎楼」です。
蒼龍楼と同じく、屋根は四方流れ・二重五棟の入母屋造となっています。
白虎楼は、京都の西側を守護すると言われる「白虎」にちなんで名前を付けられたそうです。
白虎楼の下には、国の名勝にも指定されている神苑への入口があります。
神苑を鑑賞する際は、白虎楼の下にある窓口でチケットを購入しましょう。
平安神宮の境内にある手水社は、白虎楼と蒼龍楼にちなんだ形をしています。
蒼龍楼のそばにある東側の手水社は青龍の形、白虎楼側の手水社は白虎の形になっています。
手水社のある境内入り口辺りからは、雄大で華やかな外拝殿全体を見渡せます。
3. 明治時代を代表する日本庭園「神苑」
平安神宮の境内には、1万坪を超える広大な敷地を誇る日本庭園「神苑」があります。
国指定の名勝に選ばれている庭園は、近代日本庭園の先駆者とも言われる小川治兵衛によって作庭された、明治時代を代表する日本庭園です。
1000年の造園技法の粋を結集した庭園では、春には桜、初夏の花菖蒲、秋の紅葉、冬には雪景色を鑑賞できます。
神苑は、琵琶湖疏水を使用している大きな池を中心とした「池泉回遊式庭園」です。
殿の建物を囲むように作られた庭園は、東・中・西・南の四つの庭に分かれています。
八重紅枝垂桜の美しい南神苑や池を中心とした景色を楽しめる東神苑など、庭ごとの景色を楽しみましょう。
東神苑は、大宮人の舟遊びを想定して造られた栖鳳池(せいほういけ)を中心とした庭園です。
池の周囲に広がる自然や石灯篭や建築が織りなす景色は、風情を感じさせます。
池に浮かぶ亀島、鶴島周辺は、春になると八重紅枝垂桜が咲き誇り、湖面に花が移る美しい景色を鑑賞できる場所です。
池を横切るようにして建てられた泰平閣(たいへいかく)は、京都御所から移築された建物です。
建物の中には腰掛けられるスペースがあり、庭園散策の一休みができます。
神前結婚式が行われる平安神宮の泰平閣は、結婚する方の写真撮影が行われるほど、美しい景色を眺められるスポットです。
中神苑は、本殿の東側にあたる部分に広がる神苑です。
蒼龍池と呼ばれる池を中心とした景観豊かな中神苑。
梅雨前の時期になると池の水の表面に蓮が浮かび、紫色をした花が咲き誇ります。
池の周囲をぐるっと回るように散策するほかに、池の中央を横切る飛び石を渡ることもできます。
「臥竜橋」と呼ばれる飛び石で出来た橋は、東側の大島(珊瑚島)と北岸を石伝いに渡れます。
飛び石に使われている石は、豊臣秀吉が造営した三条・五条両大橋の橋脚や梁に使われたものと同じです。
四季折々の景色を楽しめる神苑の中で、初夏に見頃を迎えるのが西神苑の花菖蒲です。
西神苑にある「白虎池」には、約2000株もの花菖蒲が植えられています。
筆者が足を運んだ6月は、花菖蒲が見ごろとなるピークの時期でした。
花菖蒲が見ごろとなる時期には、毎年1日無料で神苑が公開されるため、公式HPでチェックしましょう。
白虎池の西側には出島、北側には神苑で唯一の滝があります。
神苑の入り口から入ってすぐの場所に広がる南神苑は、休閑地となっていた処を終戦後に整地して庭園にした場所です。
1700坪という広さのこの場所には、平安朝の歌書に詠まれた植物を中心に、170種類以上の植物が揃っています。
園内の中心には川のように細長い水辺があり、季節ごとに変わる景色を見せてくれます。
南神苑には、1895年に京都を走った日本最初の電車が展示されています。
内国勧業博覧会の送客を大きな目的とした電車は、1918年に京都市に合併、その後1978年に配線となるまで運行されていました。
平安神宮の南神苑にある車体は、開通当初の貴重なものです。
平安京の優雅で華やかな建築を再現した平安神宮の見どころを紹介しました。
4つのエリアに分かれ、四季折々の景色を楽しめる神殿や、重要文化財にも指定されている外拝殿といったスポットを巡ってみましょう。
周辺の観光スポットと合わせれば、一日中観光を楽しめます。
提供元・TABI CHANNEL
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