クレジットカードを紛失したら、悪用されないようにカード会社に連絡し、警察に届けを出すべきだ。国内で紛失した場合、海外で紛失した場合、紛失したと思ったカードを発見した場合など、それぞれの対処法をわかりやすく解説する。

目次
1,クレジットカードの紛失した場合の対処3ステップ
2,海外で紛失した場合の対処法3ステップ
3,紛失中でカード番号がわからない場合はどうするか?
4,カードの再発行後にやるべきこと
5,不正利用に気づいたら早めにカード会社に連絡を
6,紛失したはずのカードを再発見した場合はどうしたらいいか?
7,万が一の紛失に備えてやっておくべきこと

1,クレジットカードの紛失に気づいたらすぐにカード会社へ電話

不正利用などの悪用を防ぐには、カード紛失に気づいたときにすぐ対処することが重要だ。まずは、紛失が明らかになった時にやるべきことを順番に説明する。

ステップ1,カード会社へ連絡する

最初に行うべきことはカード会社への連絡だ。紛失・盗難時の緊急連絡先に電話して紛失した旨を伝え、ただちにカードの無効化手続きを行うことで不正利用のリスクを回避する。紛失・盗難時の緊急連絡先は通常のカスタマーサポートとは異なり24時間対応となり、多くは「0570」で始まるナビダイヤルか「0120」で始まるフリーダイヤルだ。

ここでいう「カード会社」とはカードを発行した会社のことで、VisaやMasterCardといった国際ブランドのことではない。たとえば、Visaブランドのついた楽天カードなら、楽天カードの緊急連絡先に電話することになる。JCBの場合はJCB自体が発行しているカードもあるので、その場合はJCBに連絡する。なお、銀行系カード会社が発行したキャッシュカード一体型クレジットカードを紛失した場合は、銀行にも連絡してキャッシュカードの利用を停止する必要がある。

なお、この時点で紛失してしまったカードは使えなくなる。

ステップ2,警察へ紛失届を提出

カード会社への連絡がすんだら、なるべく早く最寄りの警察署の落とし物窓口などに紛失届(盗難の場合は盗難届)を提出する。この提出がないと、紛失したカードが不正利用された場合に補償が受けられない。

紛失届(盗難届)は各都道府県の「電子申請サービス」にも提出可能だが、直接警察署や交番へ行って手続きしたほうが早い。手続きをすると届出の受付番号が通知される。

ステップ3,紛失届の受付番号をカード会社に伝える

紛失届(盗難届)を警察に受理してもらうときに届出の受付番号が通知されるので、それをカード会社にも伝えておく。そのほか、カード会社の指示に従い、書類などを提出する必要があれば早めに対応する。

2,海外で紛失した場合は現地での紛失・盗難届けが必要

海外でクレジットカードを紛失してしまうと、国内で失くした場合よりも厄介だ。海外で紛失した場合にやるべきこと、ステップも紹介しよう。

ステップ1,カード会社へ連絡する

国内で紛失したときと同様に、早急にカード会社の紛失・盗難時の緊急連絡先に電話して紛失した旨を伝え、ただちにカードを無効化する手続きを行う。ただし、連絡するのは国内における緊急連絡先ではなく、渡航先ごとに設けられた緊急連絡先であることが多いので、事前に調べておいたほうがいいだろう。

この時同時にカード再発行を申し込んでおくと、帰国後スムーズに新しいカードを受け取れる。カード会社によっては仮カードを緊急で発行してもらい、現地で受け取れることもある。たとえばJCBでは、日本人の渡航の多い都市に設置された現地窓口「JCBプラザ/プラザ ラウンジ」にて、最短でその日に受け取ることができる。

基本的に、緊急で発行される仮カードは海外にいる間だけ使えるものだ。帰国後、改めて再発行されたカードを受け取ることになる。

何らかの理由でカード会社と連絡が取れない場合は、紛失したカードの国際ブランドに連絡すると、カード会社と連携して紛失・盗難手続きや仮カード発行手続きを代行してくれることがある。たとえばVisaでは、主要都市であれば1~3営業日以内に仮カードを届けてくれる。

さらに、Visaでは必要な現金を素早く届けてくれる「緊急キャッシング」というサービスも提供している。

ステップ2,現地の警察に紛失・盗難届を提出し証明書を発行してもらう

現地の警察に紛失・盗難届を提出し、提出したことを証明する証明書を発行してもらう。渡航先によって提出方法や証明書の書式などが異なるので、カード会社に連絡した際に警察での手続方法などを聞いておくといいだろう。

また、クレジットカードと一緒に携行品が盗難に遭った場合、海外旅行傷害保険に含まれる携行品損害保険が適用されることがあるので、それについても現地警察での届け出と証明書の受領が必要になる。

証明書は滞在中に受領しなければならないので、すみやかに行動すべきだ。

ステップ3,帰国後、カード会社へ必要書類を提出し、再発行カードを受け取る

帰国後、カード会社に必要書類を提出し、再発行されたカードを受け取る。現地でカードの再発行を申し込んでいない場合は、帰国後に再発行を依頼することになる。

日本国内で紛失したときと比べて、手間がかかるのがステップ2だろう。よって、渡航先から連絡できるカード会社・国際ブランドの緊急連絡先と、現地警察の連絡先は事前に調べておきたい。

なお、クレジットカードだけでなく財布やスマホまで紛失したり、盗まれたりした場合は、現地の日本大使館を頼るしかない。必要に応じて現地警察への届け出や、クレジットカード会社の緊急連絡先、家族からの送金方法に関するアドバイスや、パスポートの再発給などの対応を行ってくれる。

3,紛失中にカード番号がわからない場合は生年月日などで証明する

クレジットカード会社に連絡する際、最初にクレジットカード番号を伝えることが多いが、カードが手元にないのでカード番号がわからない場合はどうすればいいのだろうか? この場合は、氏名・生年月日・住所・電話番号で本人確認を行うので、カード番号がわからなくても問題はない。

注意したいのは、本人確認に必要な「住所」と「電話番号」は申し込み時のものであることだ。転居後、カード会社で住所・電話番号の変更手続をしていない場合は、過去のもので本人確認を行うことになる。なお、変更していないことに対するペナルティは特にないので、安心して連絡してほしい。

カードを紛失したら、最も重要なのは不正利用を未然に防ぐため、一刻も早くカード会社に連絡してカードを無効化することだ。なお、緊急連絡先の担当者に自分のカード番号を尋ねても、絶対に教えてくれることはない。そもそも、カードを無効化した時点でそのカード番号は何の意味も持たなくなるので、知る必要もないだろう。

4,カードの再発行後にやるべきこと

カード会社に紛失の連絡をした時点でそれまで使っていたカードは使えなくなり、カード番号も無効となるので、新しい番号のカードを再発行してもらう必要がある。カードの再発行手続きについては、最初にカード会社に紛失の連絡をしたときに案内されることが多い。なお、カードの再発行には手数料が発生することがほとんどだ。

再発行には一般的に1~2週間かかる。カードによっては先にも触れたように、海外旅行中に紛失した場合に、海外でのみ利用可能なカードが緊急発行されることもある。逆に言えば、海外での紛失が心配なら、最初からそのような対応をしてくれるカードを選ぶといい。

カードの再発行が済んだら、クレジット支払いしている契約先(公共料金・電話料金・ショッピングサイト・スポーツクラブ・電子マネーチャージなど)の登録情報を新しいカード番号に変更しておこう。なお、紛失前のカードで貯めていたカード会社のポイントは、通常、新しいカードへ自動的に引き継がれることになる。

5,不正利用に気づいたら早めにカード会社に連絡を

紛失に関連する手続きが終わったら、カードを無効化するまでの間に不正利用されていないか、利用明細をチェックしよう。利用先や利用日によっては決済が翌月よりも先になることがあるので、翌月にチェックして終わりではなく、しばらくは注意して明細をチェックするようにしよう。

身に覚えのない利用がないかチェックし、不審・不明な利用があればカード会社に問い合わせる。数ヵ月前の利用分が請求されたり、購入した店舗名とは別の名前(店舗を運営する法人名など)で請求されたりすることもあるので、それを不正利用と勘違いしないよう、しっかり確認してからのほうがいいだろう。身内がカードを使っていたというケースも多いので、それにも注意したい。

また、少額だからといって明細を読み飛ばさないようにしよう。不正利用に気づかせないために、あえて少額の支払いを複数行うケースもあるからだ。

不正利用が疑われる場合は、できるだけ早くカード会社に連絡を入れ、盗難補償を申請する。カードは紛失していないが、不正利用が疑われる場合も同じだ。基本的に不正利用分は盗難補償が適用されるので、カード保有者が支払う必要はない。

6,紛失したはずのカードを発見した場合はどうしたらいいか?

カード会社に連絡して無効化した後、紛失したと思っていたカードが見つかったとしても、カード番号はすでに無効になっているので使うことはできない。その場合、カードの氏名・カード番号・サイン・磁気ストライプ、ICチップの部分をハサミで裁断して判別できないようにした上で、別々に破棄する。

ただし、クレジットカードに電子マネー機能などがついている場合、それを使い切らないまま裁断してしまうと、チャージ分が使えなくなってしまうので注意したい。

7,万が一の紛失に備えてやっておくべきこと

最善の紛失対策は「カードをなくさないこと」に尽きるが、それでもなお失くしてしまったときに即座の対処ができるよう、事前にカード会社の連絡先(紛失・盗難時の緊急連絡先)をメモしておいたり携帯電話に登録したりしておこう。

また、カード裏面の署名欄には必ず署名しておくこと。それがないと不正利用されたときに盗難補償を受けられないことがある。推測可能な暗証番号(誕生日など)を設定していたり、カードに暗証番号をメモしていたり、第三者に暗証番号を伝えたりしていた場合も、カード会員本人に重大な過失があったと見なされて補償されないことがある。

これらに心当たりがあるなら、暗証番号を変更するか、念のためカードの再発行を申請したほうがいいだろう。

それから、何枚ものカードを財布に入れていてそれを丸ごと紛失した場合、どのカード会社のものをなくしたのかはっきりせず対処が遅れることもある。それに、何枚もカードがあると普段から利用明細のチェックがおろそかになりやすく、紛失や盗難を伴わない不正利用に気づきにくい。

不正利用の申し出が遅れると補償が適用されないことがあるので、管理が手に余る場合は不要なカードの退会も検討しよう。

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執筆・モリソウイチロウ

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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