秋になると、暗めなトーンのファッションが増えるせいか、メイクも落ち着いたブラウンやゴールドなどが主流になってきます。
なかでも今年は、紅葉を思わせるボルドー(赤系)のアイシャドウや口紅を使ったメイクが人気だったようです。
◆顔色の悪さを気にして、デパートの化粧品売り場へ
今野明日香さん(仮名・32歳)は、キャンプ道具やアウトドア用品を扱うメーカーの製品管理の部署で働いています。週の半数がリモートワークになったのをきっかけに、自分のメイクが気になるようになったといいます。
「自宅勤務が続いたので、日焼け効果のあるBBクリームにリップを塗るだけの簡単メイクで済ませていた日もあったんです。でも、パソコンでオンライン会議の時に自分の顔が映し出されると、なんとなく顔色が悪いんですよね。ちょうどファンデーションが切れる時期だったので、久しぶりにデパートの化粧品売り場に行ったんです」
そこでBA(ビューティーアドバイザー)から、顔映りが良くなるメイクのアドバイスを受けます。
◆アイメイク重視のマスク生活…流行りの赤系メイク取り入れる
「私のように、久しぶりのメイクでどうすればよいのか悩んでいる人で混んでいましたね。BAは私の顔を見るなり、“今はマスク生活で目元しか出ていないから、アイメイクを気にした方が良い”と言うんです」
明日香さんは、その場で実際にメイクをしてもらいました。
「マスクから出ている眉毛が細すぎると言われました。たしかに、オンライン会議で顔がぼやけて見えたのは、眉毛が細いからかもしれないと気づきました。ファンデや眉ペンを買った後に、もう3年ほど買い替えていないアイシャドウを新しくしようって思ったんです」
メイク用品にも使用期限があると言いますが、厳密にはわからないため、使用頻度が少ないアイシャドウなどは、何年も前のものを使っている女性も多いかもしれません。
「メイクの参考にしようとYouTubeで動画を見ると、美容系YouTuberや韓国のアイドルも流行りの秋っぽい赤メイクをしているんですよね。ドラッグストアに行くと赤いアイライナーも沢山あったので、買ってみて試してみることにしたんです」
◆「目が変だよ」赤系メイクが生んだ彼氏の勘違い
明日香さんには、3年付き合っている彼氏がいます。ですが明日香さんの趣味は山登りやキャンプのため、あまり気取ったメイクをしている姿を見せたことがありません。
「彼は、私がメイクをしている時でも、“すっぴん?”って聞いてくるほどメイクに興味がない。だから、雑誌やYouTubeで見た赤系のアイライナーや、ボルドーのマスカラを使ったメイクをしたらどういう反応をするか楽しみだったんです」
しかし、秋メイクをした明日香さんを見て、彼氏から予想外の反応が返ってきます。
「なんかチラチラ、私の顔を見るんですよ。気づいたかなって思ったら、“なんか顔、変だよ”と言ってきたんです。きちんとメイクしたのになぜだろうと思ったら、彼氏は、赤いマスカラと赤系のアイシャドウで目が怪我をしたのか、腫れているように見えたみたいだったんです。しかも赤いマスカラなのに、ファンデーションの粉が付いてまつ毛の一部分が白くなっていたみたいで赤と白で変だったらしいです」
◆マスカラが取れて「血みたい」…実感した個性派メイクの難しさ
明日香さんは彼氏に「赤いメイクが今年は流行っている」と伝えたそう。しかし赤メイクには、明日香さん自身も驚いたことがありました。
「目がかゆかったので目薬をさしたんです。目薬を押さえたティッシュを見たら、マスカラが取れて赤くなっていて、血みたいで怖いと感じました。やはり今までしたことがないような個性的なメイクは難しいって思いましたね」
女性なら、インスタグラムやYouTubeで見たメイクを真似してみて、仕上がりが違うという経験もあるでしょう。特に、最近は目元全体にポイントを置いたメイクも多いので、初心者には取り入れにくいテクニックが多いのかもしれません。
<取材・文/池守りぜね>