「VIASOカード」はクレジット利用で獲得したポイントを現金でキャッシュバックできる数少ないカードのひとつ。年会費無料で最高2,000万円の海外旅行傷害保険も付帯するこのカードのポイントサービスの仕組みとそのメリット、デメリットについて解説していこう。

目次
1,キャッシュバック型クレジットカードとは?
2,「VIASOカード」の基本スペックと審査基準
3,「VIASOカード」のポイントサービス、還元率
4,「VIASOカード」の3つのメリット
5,「VIASOカード」の4つのデメリット
6,「VIASOカード」はどんな人におすすめなのか?

1,キャッシュバック型クレジットカードとはどのようなものか

「VIASOカード」をはじめ、クレジット利用額に応じてキャッシュバックを受けられるカードは一般的に「キャッシュバック型クレジットカード」と呼ばれる。

キャッシュバック型クレジットカードの特徴……交換先に悩むことがない

クレジットカードのポイントサービスの多くは、クレジット利用に対して付与されたポイントを賞品やギフト券、他社ポイント・マイルなどに交換できる仕組みを持つ。一方で「キャッシュバック型クレジットカード」は、現金あるいはそれに類した形で還元を受けられるので、交換先について悩む必要がない。

キャシュバックの仕組み……値引きタイプか入金型か、オートか手動か

「キャッシュバック型クレジットカード」は、2つの点で分類できる。1つ目は、「値引きタイプか?口座入金型か?」という違いだ。「値引きタイプ」とは、カード利用代金の請求額からキャッシュバック分を差し引いて引き落とされるものを指す。「口座入金型」とは、カード利用代金の引落口座に現金でキャッシュバックされるものだ。

2つ目は、「オートキャッシュバックか? 手動キャッシュバックか?」という違いだ。「オートキャッシュバック」とは、自動的にキャッシュバックを受けられるもののこと。「手動キャッシュバック」とは、貯まったポイントからキャッシュバックするときに手続きが必要なものをいう。キャッシュバック以外にポイントの使い道がある場合は、必然的に後者となる。

キャッシュバック型クレジットカードの分類

この視点で、いくつかある「キャッシュバック型クレジットカード」を分類すると以下のようになる。
 

カード名 キャッシュバック方法
(値引きか口座入金か)
手続き方法
(オートか手動か)
VIASOカード 口座入金 オート
ミライノ カード 口座入金 手動
P-oneカード
<Standard>
値引き 手動
Booking.comカード 値引き オート
セゾンカード 値引き 手動
REX CARD 値引き 手動
ACマスターカード 値引き オート

2, 「VIASOカード」のカードの基本スペックと審査基準――多彩なデザインから選べるのも魅力

上記のうち、「キャッシュバック型クレジットカード」の中でも数少ない口座入金タイプで、かつオートキャッシュバックである三菱UFJニコス発行の「VIASOカード」について詳しく紹介していこう。まずは、基本スペックから。

「VIASOカード」の基本スペック……2つの国際ブランドから選べる

国際ブランド VISA
Mastercard
年会費 無料
ポイントサービス VIASOポイント
通常ポイント還元率 0.5%
ポイント交換対象 銀行口座への
オートキャッシュバック
空港ラウンジサービス なし
付帯保険 海外旅行傷害保険
(利用付帯)
ショッピングパートナー保険
(適用条件あり)
追加カード 家族カード
ETCカード
電子マネー QUICPay
(Apple Pay経由)

このほか、シンプルなピーコックグリーンデザインをはじめ、多種多様なコラボカードからデザインを選べることも特徴だ。

選べるデザインはスヌーピー、シナモロール、マイメロディ、ぐでたま、くまモン、ふなっしーなど、おなじみのキャラクターが揃う。また「けいおん!」「ラブライブ」「ファイナルファンタジーXIV」といったアニメ・ゲームコラボデザインなども用意されている。そのほか、クレジット利用により浦和レッズをサポートできるカードもある。

審査基準・審査難易度……年収100万円でも可能性あり

「VIASOカード」は、申し込み資格として「18歳以上で安定した収入のある方、または18歳以上で学生の方(高校生を除く)」とある。そのため、一定の世帯年収があれば主婦や学生でも審査に通ると思われる。

ネットの口コミ情報によると、年収100万円程度でも審査通過する可能性があるようだ。ただし、過去にクレジットカードやカードローン、携帯電話端末の分割払いなどで延滞があると、審査通過は難しくなる。短期間(半年間ほど)に複数のクレジットカードを申し込む「多重申し込み」も、審査ではマイナスに働く。

3,「VIASOカード」のポイントサービス、還元率――現金で還元を受けられるのが特徴

ここからは、「VIASOカード」の最大の特徴であるポイントサービスとオートキャッシュバック機能について紹介しよう。

貯まるポイントと還元率……還元率0.5%で「VIASOポイント」が貯まる

貯まるポイントは、「VIASOポイント」。クレジット支払いの個別明細ごとに100円あたり0.5ポイント(0.5円相当)が付与される。ポイント還元率は0.5%だ。

なお、楽天Edyやnanacoへのチャージ、モバイルSuicaの利用分などはポイント付与の対象外である。

ポイントの交換対象……年1回オートキャッシュバック

ポイントの蓄積期間は、入会日を基準に1年間。蓄積期間終了時に1,000ポイント以上蓄積されていれば、1ポイント→1円でオートキャッシュバックが行われる。「オート」という名前のとおり、特に手続きは不要で、カード利用代金の引落口座へ自動で入金される。

ポイント還元率・付与率アップする2つの方法……ポイントサイト経由で最大10%還元に

ポイント還元率・付与率をアップさせる方法は、2つある。

・方法1,ポイントサイト経由で最大10%還元

ポイントサイト「VIASO eショップ」経由のネットショッピングでは、最大10%のポイント還元を受けられる。

登録ショップは楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、じゃらん、エクスペディア、HISなど。多彩なジャンルが揃っているので、日常使いには困らないはずだ。

・方法2,加盟店利用料金でポイント2倍

特定加盟店でクレジットカードを利用すると、1,000円で10ポイントと通常の2倍のポイントが付与される。還元率は1%だ。

対象となる加盟店は、以下のとおり。
 

ジャンル 加盟店・利用対象
交通 ETCマークのある全国の高速道路の通行料金
一般有料道路の通行料金
通信 NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイルの
携帯電話・PHSの利用料金
インターネット Yahoo! BB、OCN、au one net、BIGLOBE、ODNの
インターネットプロバイダーの利用料金

どれも固定費として月々発生する種類のものなので、該当する店舗・会社の利用がある場合は、わすれずに「VIASOカード」を支払いクレジットカードに設定したい。

4,「VIASOカード」の3つのメリット――海外旅行保険、NICOSカードの各種優待も

このクレジットカードの最大のメリットが、口座入金によるオートキャッシュバックであることは間違いない。しかし、それ以外にもメリットがいくつかあるので確認していこう。

メリット1,最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯

このカードには、海外旅行傷害保険とショッピング保険(ショッピングパートナー保険)が付帯する。ただし、ショッピング保険の付帯は条件付きだ。

・旅行傷害保険……賠償責任保険も付帯

旅行代金をカードで支払った場合、本会員・家族会員ともに最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯する。保険の内容は、以下のとおりだ。

海外旅行傷害保険(利用付帯)

補償項目 保険金額
傷害による死亡・後遺障害 最高2,000万円
傷害・疾病による治療費用限度額 100万円
賠償責任限度額 2,000万円
携行品の損害限度額
※自己負担額1事故3,000円
※年間100万円限度
1旅行につき20万円
救援者費用限度額 100万円

・ショッピングパートナー保険……年間100万円限度

登録型リボ払いサービス「楽Pay」に登録している間は、ショッピングパートナー保険が付帯する。この保険では、カードで購入した商品が購入日から90日以内に破損・盗難などで損害をこうむった場合、年間100万円を限度に補償される。

メリット2,NICOSカードの各種優待を受けられる

「VIASOカード」では、NICOSカード共通の各種優待を利用できる。利用できる優待は、以下のとおり。
 

トラベル ツアーデスク 海外・国内のパッケージツアーが最大5%オフ
海外アシスタンスサービス
「ハローデスク」
世界各地のサービス窓口で観光情報の案内、
レストランや現地観光ツアーの
予約などに対応してもらえる
レンタカー優待 海外・国内のレンタカーを
優待料金で利用できる
海外おみやげ
宅配サービス優待
海外旅行の出発前に注文でき
帰国後受け取れるおみやげ
宅配サービスで全商品10%オフ
スーツケース
レンタルサービス
リモワ、サムソナイト、プロテカの
スーツケースのレンタルが
優待価格で提供される
変換プラグ・変圧器・スーツケースベルトの
3点を無料レンタル
海外Wi-Fiルーター
レンタルサービス優待
海外用Wi-Fiルーターレンタル20%オフ、
通常500円の受渡手数料が無料
音声翻訳デバイス
レンタルサービス優待
通常500円の受渡手数料が無料、
オプション無料
(安心保証パック・モバイルバッテリー)
レジャー チケットサービス コンサート、ミュージカルなどの
チケット予約サイトで
優待割引公演や特典付き公演を提供
ゴルフデスク 全国約1,000ヵ所のゴルフ場
予約を手数料無料で代行
その他 ファイナンシャル
プランナー
無料保険相談サービス
ファイナンシャルプランナーや
ライフコンサルタントなど
専門の資格保有者に無料で相談できる

この中でも特徴的なのが、音声翻訳デバイスである「ili(イリー)」を優待価格で利用できること。海外旅行のときに、語学に自信のない人にとっては心強い見方だ。また、フィナンシャルプランナーへの保険相談も無料になるので、保険を見直すときなどは積極的に利用したい。

メリット3,最短で翌営業日発行、3日で手元に届く

入会時の審査がスピーディーであることも、「VIASOカード」の特徴の一つだ。

オンラインによる入会申し込みの場合、10分ほどで入力が済み、9時までに申し込み完了した場合は最短で翌営業日にはカードが発行される。ほとんどの場合、申し込みから最短3日、遅くとも1週間後にはゆうメール簡易書留で手元に届く。

多くのクレジットカードは届くまで2週間程度かかることを考えると、このスピーディーさは大きなメリットと言えるだろう。なるべく早くクレジットカードが欲しい人は、注目したい。

5,「VIASOカード」の3つのデメリット――細かいポイントの取りこぼしに注意

現金オートキャッシュバックやクレジットカードをなるべく早く手に入れたい人にとって、有力な候補となる「VIASOカード」だが、デメリットもしっかり押さえておきたい。

デメリット1,ポイント還元率が高くない

0.5%という還元率は一般的だが、「dカード」や「楽天カード」など、年会費無料で還元率1%というカードも少なくない。「VIASOカード」が、ポイント還元率の点で魅力に欠けるカードであることは否めない。

デメリット2,ポイントの取りこぼしや無駄にする可能性がある

ポイントは個別明細ごとに100円につき0.5%で計算されるため、99円までの端数分はカウントされない。1回の支払いでは大きなマイナスではないが、支払いのたびに端数分のポイントを取りこぼすことになるので、実際のポイント還元率は0.5%を下回ることになる。

デメリット3,ポイント失効期限が早い

1年間で1,000ポイントに満たない場合、そのポイントが失効してしまうこともデメリットと言えるだろう。1,000ポイントを獲得するには年間約20万円のクレジット利用があればいいので、条件クリアは難しくないはずだが、サブカードとして使う場合は注意が必要だ。

デメリット4,ETCカードが有料

ETCカードの年会費は無料だが、新規発行手数料として1,100円(税込)がかかる。ETCカードに一切費用がかからないクレジットカードも少なくないことを考えると、これはデメリットと言っていいだろう。

6,「VIASOカード」がどんな人におすすめなのか?――ポイントのことをあれこれ考えるのが面倒なら

「ポイントのことをあれこれ考えるのは面倒だが、無駄にはしたくない」という人に、現金でオートキャッシュバックされる「VIASOカード」はうってつけだ。

注意したいのは、ポイントの失効。せっかく貯めたポイントを失効させないために、サブカードとして使う場合でも年間約20万円以上は使うようにしたい。また、通信費の支払いを「VIASOカード」に設定すること、ネットショッピングの際に「VIASO eショップ」を経由するようにすることで、お得度は高まるはずだ。

この2点さえ注意しておけば、ポイント還元率やポイントアップにあくせくすることなく、クレジットカード利用による還元を受けることができる。その上で、必要に応じてNICOSカードの各種優待や、海外旅行傷害保険を活用するという使い方が賢いだろう。
 
執筆・モリソウイチロウ(ライター)

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。  

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